この夏、ワシントン州の富士山と呼ばれるレーニア山に行ってみませんか？

レーニア山は、標高4,392 メートル。周辺の森林地帯とともに「マウント・レーニア国立公園」に指定されています。シアトル市内からも色々な角度で見えますが、近づくにつれだんだんと大きくなり、山に向かう道中からわくわくしてきます。

この国立公園で一番人気の場所は、ニスカリー・エントランス（Nisqually Entrance）から入る「パラダイス」という一帯。レーニア山を間近に見上げ、澄んだ空気と目にも鮮やかな木々の緑に包まれると、天国かと思えるほどです。アメリカ先住民は、この山の神々しい姿を畏れ、Tahoma（神の宿るところ）と呼んでいたそうです。1900年頃から移民としてシアトルやタコマにやってきた日本の人達はこの山を「タコマ富士」と呼んでいました。確かに近隣のどこからでも見えるその姿は富士山みたいです。

夏場は公園内のあちこちで、野性動物の姿を見ることができます。冬場は冬眠しているマーモットは、短い夏を満喫するかのように草や花、木の根っこを懸命に食べ続けています。リスや野鳥、バンビを連れたシカのファミリーも、よく見かけます。レーニア山の動物たちは、過酷な自然の中で必死に生きています。近づきすぎたりエサを与えたりせず、野性の中で生きる動物たちをそっと見守りましょう。

ヘンリー・Ｍ・ジャクソン観光案内所の隣には、パラダイス・インというホテルがあります。創業1916年、堂々たる石造りの建物の一階にはダイニング・ルームやお土産店、暖炉もあって温かい雰囲気です。ツアーではこちらを昼食場所として利用します。　

パラダイスから3キロほどのところにあるリフレクション・レイクも人気の場所。鏡のような湖面にレーニア山が映し出され、一幅の絵のような景観を楽しむことができます。昼間の青空と山と湖のコントラストも素晴らしいですが、最も美しい写真が撮れるのは、風のない日の早朝だそうです。湖の手前に広がる野草が朝霧に濡れて輝き、さらにレーニア山の氷河も白く輝き始め、神秘的な光景が広がります。

ヘンリー・Ｍ・ジャクソン観光案内所では、この地の動物や原生林、氷河などに関する展示があります。トレイル・マップをもらえるので、時間と体力に合わせどのトレイルを歩くか決めましょう。ニスカリー・ヴィスタ・トレイルは全長2キロ、きちんと舗装されていて気軽なお散歩気分で歩けるトレイル。高山植物が咲くシーズンは、まるでお花畑の中を歩いているようです。

デッド・ホース・クリーク・トレイルやスカイライン・トレイルは上り坂が続き、ややきつい感じですが、大自然の変化に富んだ地形とパノラマ・ビューが楽しめます。夏場でも残雪があるので、しっかりしたハイキングシューズを履いて出かけましょう。　

マウント・レーニア国立公園はシアトルから約180キロ、車で2時間半ほど。大変人気のある公園なので、パラダイスの駐車場は大変混み合います。夏に行くなら、朝早く出発しましょう。車がない人でも、シアトル発の日帰りツアーで、レーニア山のパラダイスまで行くことができます。この夏は、シアトライトがこよなく愛する「山」に、是非お出かけください！