2019年 夏のオススメ!見どころいっぱいフィラデルフィア!<前編>
数々の映画の舞台、フィラデルフィア
最近ハマっている場所があります。ニューヨークからも車や鉄道で1時間半ほどのところにあるフィラデルフィアです。以前にはアメリカの首都でもあった、現在もアメリカで6番目に人口の多いこの街を、映画とともにご紹介します!
やっぱり、ロッキー
フィラデルフィアと聞いて、多くの方がまず思いつく映画は1977年アカデミー賞作品賞の「ロッキー」ですよね。名もないボクサーが、ひょんなことからタイトルマッチの相手に指名され、チャンピオンと激闘を繰り広げるあの映画です。庶民の代表とも言える主人公ロッキーは「労働者の街」であるフィラデルフィアを走り抜けます。ロッキーの家は、街のかなり南の高級とは程遠い地区にありますが、そこから、鉄道の線路、貨物船の集まる港、イタリア人地区の商店街などを走りぬけます。そして川沿いの美しいフェアモントパークやCenter Cityと呼ばれる中心部を通り、ランニングのハイライトである街の西側にあるフィラデルフィア美術館へと向かいます。(ルートは映画的に編集してあり、このルートだとフルマラソンくらいの距離になってしまうのだとか・・・)
フィラデルフィア美術館のロッキー・ステップ
一気に頂点に向かっていくロッキーの将来を暗示するかのように、美術館の前の階段を一気に駆け上がり、フィラデルフィアの中心部を見下ろしながら、飛び跳ねる。(「ロッキー」ではこのルートを暗い中を一人で走り、「ロッキー2」では大勢の子供たちと一緒に走るのも対照的です。)美術館前のこの階段は通称「ロッキー・ステップ」といわれ、そこを駆け上ることと、階段の向かって右側にあるパブリック・アート、ロッキー像と写真を撮ることは、フィラデルフィア観光の目玉となっています。
美術館の中に入ってみましょう
フィラデルフィア美術館をこの階段だけで終わらせるのはもったいない!1928年に完成したこの美術館の本館は外から見ても一見の価値がありますが、ゴッホのひまわりをはじめとするヨーロッパの絵画、日本の茶室、インドのガネーシャの像など幅広い展示物を誇ります。また、ロダンの彫像を集めた別館や植民地時代の家屋を今に伝える附属施設も、本館のチケットがあれば無料で見ることができるので、1日では時間が足りないほどです。そのほかにも印象派の作品を集めたバーンズ・コレクション、市内の壁画をセグウェイで見て回るミューラル・ツアーなど、フィラデルフィアのアートは、コレクションの充実度だけでなく、楽しみ方もいろいろです。
社会派映画「フィラデルフィア」と摩天楼
トム・ハンクス演じるエイズにかかった弁護士が、自身の病気やそれに対する差別と闘っていく映画「フィラデルフィア」(1993年)。この映画ではブルース・スプリングスティーンの哀しげな音楽と空撮を駆使したオープニングのフィラデルフィアの高層ビル群が印象的です。※高層ビル※ レコード針のような形だったり、威厳のある市庁舎など、ユニークな建築物が立ち並んでいます。なんと100メートル以上の建物が300以上あるそうです!さて、映画「フィラデルフィア」には、同性愛、家族愛、人間としての愛の形が様々に表現されています。それもそのはず、Philadelphiaの由来はギリシャ語で、Philの部分は愛、adelphiという部分は兄弟・姉妹の意味があります。フィラデルフィアにはCity of brotherly love(兄弟愛)という愛称があるほど、愛にゆかりのある街なのです。市庁舎のほど近くにあるJFKプラザは通称LOVEパーク。「LOVE」の文字をかたどったパブリックアートがあります。これもアートや人を愛するフィラデルフィアらしい場所です。
ビアデルフィア
フィラデルフィアの人の愛はビールにも注がれています。2011年には街の名前をもじって、「Beerdelphia」というドキュメンタリー映画ができているほどです。フィラデルフィアで今もっとも注目のクラフトビール「YARDS」は街の北側に工場を構えています。できたものはすぐ飲みたい(飲ませたい)とばかりに、工場には出来立てのビールが楽しめるスポーツバーが併設されていて、工場見学ツアーもあります。入場料を払うとまず新種のビールが渡され試飲、ツアーが始まったら今度は缶ビールの試飲と驚きの連続。さらに、超がつくほどビール好きのガイドさんが、なんとビール片手に飲みながら工場をご案内!参加者もビール好きなので時にはちょっと白熱したビール議論も交わされるようです。
アートと愛の溢れる街
地元民からは親しみを込めてPhilly(フィリー)やPhila(フィラ)と呼ばれているフィラデルフィア。フィリーの街に溢れるアートや愛を、この夏、体験してみませんか?
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