台北から30分で行ける温泉街・北投に日帰りプチ温泉旅をしよう (2023年5月更新)
台北駅から地下鉄(MRT)でわずか30分、緑豊かな渓谷に開かれた温泉街・北投は、気軽に日帰り旅行できる憩いの地です。その景色に日本人がどこか懐かしさを覚えるのも当然、かつて日本が統治していた時代に、温泉保養地として開発されたのです。
現在は台湾ローカルにも海外からの旅行客にも大人気の、屈指の温泉リゾートとなっています。ここでは北投の見所などを、JTB現地スタッフがご案内します。
北投はどんなところ?台北からの行き方は?
台北駅から地下鉄(MRT)で約30分と、手軽に行ける近さでありながら、北投(ほくとう・ペイトウ)は、台湾の四大名温泉に挙げられる温泉地です。 同じエリア内でラジウム泉の青湯、硫黄泉の白湯、炭酸ガスが溶け込んだ炭酸泉の3種類を楽しめる、台湾唯一の温泉地でもあります。その泉質の高さから、古くから湯治場として利用され、日本の統治時代に本格的に温泉街として開発されました。
そのせいか、ホテルやスパなどの開発が進んだ現在でも、どこか日本の温泉街に通じる雰囲気が、今も残されています。中には日本名がそのまま残っている建物などもあり、日本人の旅行者には特に親近感を覚えるかもしれません。
北投が特に日本で知られるようになったきっかけは、日本を代表する名旅館「加賀屋」が、2010年にここ北投に、純和風の旅館「日勝生加賀屋」をオープンしたことでしょう。日本的なおもてなしとサービスを求めて、ローカルはもちろん日本人旅行者も多く訪れています。
北投への行き方は簡単です。台北車站よりMRT淡水線「北投」駅下車(約30分)。そこからMRT新北投支線で「新北投」駅下車(約3分)です。新北投支線は、約10分おきの運行です。台北中心部から車でも25分程度で行ける、身近な温泉地です。ローカルにもとても人気の高い温泉地なので、土日は混み合うこともしばしば。時間に余裕があれば、混雑が少なくゆっくり散策できる平日がおすすめです。ただし観光施設などは月曜休館のところが多いので、ご注意下さい!
北投のおすすめスポット
地熱谷(ディーラーグー)
「地熱景観公園」内にある北投温泉の源泉の一つ。その温度は90℃にもなり、湯けむりがもうもうと立ち上っています。その湯気の間から見える青い湯がとても印象的です。地熱谷の周辺には石畳の遊歩道が整備され、温泉がふつふつと湧き出す様子を眺めながら散策できます。
ここから源泉を引く温泉「瀧乃湯」は、いかにも純和風の佇まい。地熱谷から1kmも離れていながら、湯温は50℃近い高温を保っています。歴史も古く、昭和天皇が皇太子であった大正時代にこの温泉を訪れたそうです。地熱景観公園は、月曜休館です。
北投温泉博物館
新北投駅を出ると、目の前にあるのが「北投公園」。東京・上野の上野公園を模して造られたこの公園を少し進むと、西洋風の建物が見えてきます。西洋風の外観に日本風の黒瓦が葺かれている、和洋折衷のデザインが印象的な、北投温泉博物館です。1913年に建てられた時には、公共浴場として使われていたそうです。
1923年には、当時皇太子であった後の昭和天皇も、この公共浴場で入浴されたそうです。日本統治が終わって以降、しばらくは放置され 廃屋となっていましたが、その後台湾での温泉人気が高まり、1998年に温泉博物館としてリニューアルオープンしました。2階にある畳敷きの休憩所からは、公園の緑や渓谷を眺められます。また北投地区の歴史などを知ることができます。月曜休館です。
凱達格蘭文化館(カイダーガランウェンホァグァン)
台湾の人口の約2%を占める先住民族について、広く知ってもらうために2002年にオープンしたのが「凱達格蘭文化館(カイダーガランウェンホァグァン)」です。MRT北投駅からは徒歩で約10分。
日勝生加賀屋
日本を代表する名旅館、石川県和倉温泉の「加賀屋」がオープンさせた、地下4階、地上14階(計90室)の旅館です。本家加賀屋で研修を受けた客室係が着物姿で出迎え接客し、日本人スタッフも常駐させるなど、日本風のおもてなしに心を砕いています。
日替わりで男湯と女湯が入れ替わる大浴場は、白硫黄泉の源泉かけ流し。窓の向こうには北投山脈の緑が一望できます。他の温泉では水着着用が原則の台湾です、ここだけは日本式、水着は不要です!料理も和風懐石を提供するなど、随所に老舗のこだわりを感じられる旅館です。日帰り温泉も可能ですよ!
いかがですか?台北を訪れたらぜひ北投へも足を延ばしてみてください。まだまだ知らない台湾の魅力に触れられますよ!JTBでも北投を訪れるツアーをご用意しています。ご参考までにどうぞ。