台湾の伝統祭事、夏の「中元節」秋の「中秋節」を知る


JTB台湾マイバスチーム

台湾のカレンダーで祝日や休日を見てみると、夏から秋にかけては中元節や中秋節といった言葉が出てきます。これは台湾で定番の祝祭日。

台湾では伝統的な祭事は今でも旧暦が使われているので、祭日の中には毎年日にちが変わるものも少なくありません。特に夏から秋にかけて人々が大切にしている祭日「中元節」と「中秋節」。これらはどんな祭日なんでしょう。簡単にご紹介しましょう。

台湾の代表的な祭日は?

台湾では伝統的な祭事は、旧暦で行われていますので、祭日も旧暦に合わせ毎年変わるものもあります。中でも台湾の人々に大切にされている祭日が、「春節」「端午節」「中元節」「中秋節」などで、これらの祭日は家族で祝うもの、とされているそうです。

春節(チュンジエ)
旧暦のお正月。大晦日より三が日を中心に公休となります。中華圏の三大節句の一つです。

端午節(ドゥアンウージエ)
三大節句の一つで、この日は各地でドラゴンボートレースが開催されます。また粽(ちまき)を食べることでも知られています。

中元節(ヂョンユェンジエ)
霊界の門が開き霊魂が下界をさまようとされるのが旧暦の7月の1カ月。その1カ月のちょうど中間の「中元節」には、霊魂が最も多くさまようとされ、一般家庭やお店などの軒先に様々なお供えをたくさん並べ、線香を焚いて霊魂を慰めるしきたりがあります。

中秋節(ヂョンチウジエ)
三大節句の一つ。満月の丸さを家族団欒にたとえて家族と過ごす日とされ、普段は離れて暮らす人も、この日は家族の元へ帰ります。この日には月餅(げっぺい)を贈り合う習慣があります。

それでは次に、夏から秋にかけての台湾の祭日、中元節と中秋節の過ごし方をもう少し詳しくご紹介しましょう。

中元節の見どころ

旧暦の7月は鬼月と呼ばれ、毎年この時期(2014年は7月27日~8月24日)になりますと、人々は下界に降りた霊を迎える準備を始めます。会社やビルの前でも、お供え物として食品が並べられられるようになり、中元節(2014年は8月10日)には、ピークとなります。家や建物などあちこちで香が焚かれますが、これは霊が迷わないための道しるべだとか。香が消えると、あちらの世界で不自由なく使えるように、とお金を燃やします。

この時期には、台湾北部の国際港・基隆では「基隆中元祭」が行われますし、台北の南東に位置する宜蘭県の頭城鎮という町では、鬼月の最後を締めくくる、搶孤という盛大なお祭りが催されることで知られています。

この時期は、霊がさまよっているのでやってはいけないとされることもいくつかあります。例えば旅行や引っ越し、結婚式などはしない、プールや海など水辺には近づかない、夜に洗濯ものを外に干さない、玄関の靴を出しっぱなしにしない、お供え物を盗み食いしない、落ちているお金やご祝儀袋を拾わない、などなど。住んでいる町によって、タブーとされることは少しずつ違うそうです。

中秋節の楽しみ方 

秋の訪れとともにやってくる三大節句の一つが中秋節です(2014年は9月8日)。日本でも「中秋の名月」と呼んでこの時期の満月を特別なものとして観賞しますが、台湾でも中秋節の満月は特別です。満月の丸みを家族団欒の象徴ととらえ、家族で過ごす大切な祭日となっているのです。

普段は離れて暮らす人々も、この日には家族の元へ集まりますから、交通機関も込み合います。そうやって家族で集まって、持ち寄った月餅や文旦を食べながら静かに月を眺める…というわけではなく、最近では、みんなでわいわいと、焼き肉やバーベキューをするのが中秋節の過ごし方だとか。

家族だけで過ごす人もいれば、町内挙げての大バーベキュー大会、町内の一大お祭りイベントが催されるところもあるそうで、満月の楽しみ方も、日本のお月見とは少し趣が違うのがまた面白いものです。

持ち寄る月餅も、さまざまに凝っています。伝統的な餡の入ったものもありますが、カレー味やアイスクリーム、ラベンダー餡まであるそうで、この時期には、欧米系のコーヒーショップでもオリジナル月餅が売られているんです。

台湾の人々は、先祖や亡くなった人々の霊をうやまい、家族の繋がりをとても大切にしています。8月から9月の台湾は、それをそこここで感じることができる季節と言えそうです。

この記事を書いたレポーター

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