シンガポールの国花ランとボタニックガーデン


ケンケン

シンガポール初の世界遺産となった美しい公園、ボタニックガーデン。
目抜き通りオーチャードロードからも約2㌔しか離れていないのに、緑豊かな植物園はまさに都会のオアシスといった感じ。

シンガポール植物園(シンガポール・ボタニック・ガーデン)は、英植民地時代から150年以上の歴史があり、東南アジアのゴム生産や、蘭の花の栽培技術の発展に寄与しました。東京ドーム13個分の広大な敷地面積を有するボタニックガーデンは、2015年7月にシンガポール初のユネスコの世界遺産に登録されました。日中30℃を超えるシンガポールでは、朝早くから軽く汗を流すためにジョギングをしたり、ペットを連れて散歩する人、体操をするグループや音楽に合わせて体を動かす人の姿が見られる、住民の憩いの場になっています。園内にはいくつものウォーキングトレイルがあり、いずれも40~90分で歩くことができます。

珍しい鳥が見られたり、時にはガーデンの住人 (?) オオトカゲに遭遇することもあります。体長1mを超えるオオトカゲが遊歩道を悠々と歩いていました。(大きなものでは約2.5~3mのものもいるそう)オオトカゲは森やマングローブ林、水辺を生息地としていて、逃げることもなくちらっと横目に見るだけで、あまり興味を示すことなく通り過ぎていきました。オオトカゲは基本的におとなしい性格ですが、時には恐怖を感じると噛みつくことや、長い尾で攻撃してくることもあるそうですので、ご注意を。

植民地時代の景観とゴム産業発展への礎

市民の憩いの場シンガポール植物園は、開園から約150年。
植民地時代の建造物が保全され、中には現在においても同じ目的でそれらの建物が使用されるなど、熱帯地域における歴史ある植物園の姿と景観が残され、熱帯植物の研究が続けられています。
シンガポール植物園は、英国植民地時代の1859年に開園しました。
その前身は、1822年にフォートカンニングに設立された植物園で、英国の植民地行政官として1819年にシンガポールに上陸した植物研究に熱心だったラッフルズ卿によるものです。東南アジアにおける熱帯植物研究の中心で、1928年からは蘭の交配や繁殖技術の研究が行われました。
また、英国から持ち込まれたゴムの木の栽培技術の発展と研究における重要な役割を果たし、やがてマレー半島全域でゴムのプランテーション(農園)が作られました。
現代社会において欠かせない自動車。ゴムはその自動車産業の発展の礎にもなったという点も、世界遺産登録理由のひとつだったそう。世界遺産登録基準はいくつかあり、同植物園は、文化交流を証明する遺産(ii)、建築技術や科学技術の発展を証明する遺産(iv)の2項目で評価されての登録でした。

一番のみどころ 国立蘭園(National Orchid Garden)

広大なシンガポール植物園内は、いくつかのセクションに分かれています。
なかでも人気の“国立蘭園(National Orchid Garden)”ははずせません。1995年に開園した蘭園には、約1,000の原種、約2,000の交配種の洋ラン、約6万株が3㌶の敷地に集められているという常設蘭園では世界一の規模です。

日本では、蘭を育てる場合、一鉢に一株だけを植えたり、あるいは蘭ばかりをたくさん並べてディスプレイされているのを目にすることが多いのですが、ここでは他の植物と調和するように、蘭が咲き誇る姿を楽しむことができます。ラン科には様々な種類の花が含まれ、深いパープルから鮮やかなピンク、クリーミーホワイトや明るいイエローなど色の種類も豊富です。普段見ることのできない珍しい蘭もたくさんあり、様々な種類の蘭が一年中咲き乱れ、訪れる人たちを魅了しています。(蘭園のみ有料)

■National Orchid Garden MAP:
https://static.mothership.sg/1/2021/04/Screenshot-2021-04-01-at-4.05.23-PM.png

■|シンガポールの国花“バンダ・ミス・ジョアキム”|■
1893年、アグネス・ジョアキムというアルメニア系シンガポール人女性の自宅の庭で、世界初の蘭の交配種が誕生しました。ジョアキムさんの名をとって“バンダ・ミス・ジョアキム”と名付けられました。
この花の誕生は、蘭の人工交配を盛んにする1つのきっかけとして蘭の歴史上大きな意味を持っています。
1981年、蘭が国の重要産業になっていたこと、“バンダ・ミス・ジョアキム”がシンガポールの固有種であり、美しく丈夫で1年中花が咲くことから、シンガポールの国花に制定されました。
ヴァンダ・テレスとヴァンダ・フーケリアナの2つの種類を交配してつくられた"バンダ・ミス・ジョアキム"は、両親の性質を受け継いだ、薄紫の花弁に濃いピンクの唇弁が美しい品種。
栽培に適した環境では草丈2㍍にも及ぶ大株になります。

かつては1セントコインの図柄にもなっていましたが、残念ながら、1セントコインはもう使われなくなってしまいました💦

- バンダ・ミス・ジョアキム -
■学名:(Vanda hookeriana と V.teresの交配種)
■英語名:Vanda Miss Joaquim 
■科・属名:ラン科バンダ属
■原産地:シンガポール

■|VIPオーキッドガーデン|■
ここでは独自で交配した新種の蘭に、ここを訪れた世界のVIPの名前を付けており、故ダイアナ妃や雅子皇后、サッチャー元首相、バイデン米大統領などの著名人の名前を冠した蘭を見ることができます。

近年大規模な拡張工事が完了し、ガラス貼りのドームなどがリニューアルオープンしました。
これまではシンガポールの気候に合った蘭のみの展示でしたが、空調設備の整ったガラスのドームの誕生により、世界各地の高地に生息する希少な蘭も育てることができるようになりました。

《クールハウス》
森の中のボードウォークを進むと、クールハウスに着きます。
1000~2000㍍の標高の高い地域を再現していて、ドーム内は気温16~23度に保たれていてとても涼しく、暑さで疲れた体を癒してくれます。東南アジア、オセアニア、中南米など世界各地の珍しい蘭やウツボカズラなどの食虫植物を、じっくり観察できます。

《ミストハウス》
ここは高湿度を好む蘭が集められており、ときどき水滴が落ちてくるほどの湿度が保たれています。普段見ることのできない、いろとりどりの珍しい蘭がたくさんあります。

【ナショナル・オーキッド・ガーデン - National Orchid Garden - 】
毎日 8.30am - 7.00pm (最終入場 6.00pm)
入場料:大人(ローカル)S$5/一般客S$15
    シニア60歳以上(ローカル)S$1/一般客S$3
    学生(ローカル)S$1/一般客S$3
    子供(12歳以下)無料
■詳細はコチラ☞
https://www.nparks.gov.sg/sbg/our-gardens/tyersall-entrance/national-orchid-garden

緑の中で南国グルメを堪能する

美味しい料理とワイン、リラックスした空間を求めて植物園にやってくる人もいます。
ジンジャーガーデン内にあるハリア(The Halia)は、「庭にあるレストラン、レストランに庭がある」がコンセプト。屋根つきのウッドデッキのテラス席は、南国らしいバナナリーフで囲まれていて、心地よい風を感じながら東西が融合したフュージョンスタイルのお食事を楽しめます。
ハリアのシグネチャー料理のひとつ、「チリクラブのスパゲッティーニ」はシンガポール名物のチリクラブがパスタになったお料理やここで栽培された生姜を使ったお料理などがおすすめ。
ちなみに店名の「ハリア(Halia)」とは、マレー語で「生姜」のことだそう。
朝から夜までオープンしているので、ボタニックガーデン散策前後や途中に利用できるのがうれしい。
園内の散策にちょっと疲れたら、ハリアでほっと一息ついてみるのもいいかも。

屋外席でもシーリングファンの風が心地よく、日常の喧騒を忘れて、緑に囲まれてゆったりとした時間を過ごせます。

■HALIA’S SINGAPORE-STYLE CHILLI CRAB SPAGHETTINI
ほぐしたカニ肉がたっぷり入ったチリクラブの甘辛ソースでいただくスパゲティーはシンガポールならでは。
マイルドな辛さで、ハーブが効いて、卵でまろやかになった食べやすい味付けがくせになるパスタ料理です。

■TOAST (1PC)
パスタのチリクラブソースがかなり余った為、トーストを追加オーダー。
焼きたてのふわふわトーストは、バターの香りもほのかにあって、美味しいチリクラブソースを2度も楽しめました。

■STICKY TOFFEE PUDDING
グラマラカ風味の優しい甘さのケーキにバタースコッチソースとバニラアイスがベストマッチ!

このほかにも、園内には、いくつもレストランやカフェがあります。
たとえば、タングリンゲートの気軽に地元の味が楽しめるフードコートはいつも地元の人々で賑わっています。
ナッシムゲートには雰囲気の良いベランダのあるコーナーハウスが併設されていてます。

【The Haria - ハリア -】
所在地:1 Cluny Rd, Ginger Garden Singapore Botanic Gardens
営業時間:月~金・祝前日9:00AM~9:00PM、土・日・祝 10:00AM~9:00PM
 (ラストオーダーは閉店時間の30分前)
定休日:無休
■詳細はコチラ☞ https://thehalia.com/

蘭にまつわる多彩なギフト

お部屋を彩る蘭の置物や食器、雑貨も素敵なギフトになります。
また、本物の蘭に金メッキを施したネックレスやイヤリング、ブローチなどを販売しているジュエリーブランドもあります。
蘭はアロマセラピーにも用いられます。
軽く、甘く香るランのエッセンシャルオイルは、ご当地ならではのギフトやお土産にいいかも。

【Gardens Shop - ガーデンズ・ショップ - 】
①RDENS, GARDENS SHOP@NATIONAL ORCHID GARDEN
所在地:ナショナルオーキッドガーデン入口付近
営業時間: 8:45AM~6:30PM(毎日)

②SINGAPORE BOTANIC GARDENS, GARDENS SHOP@NASSIM GATE
所在地:ナッシムゲート付近
営業時間: 8:30AM~7:00PM(毎日)

③SINGAPORE BOTANIC GARDENS, GARDENS SHOP@TANGLIN GATE
所在地:タングリンゲート付近
営業時間: 8:30AM~2:30PM/3:30PM~7:00PM(毎日)

■詳細はコチラ☞ https://botanicgardensshop.sg/

蘭で癒されタイム

蘭を使ったスパやエステをシンガポールで体験することが出来ます。
マリーナベイ・サンズの“バンヤン・ツリー・スパ”の蘭を使ったトリートメントに夢心地。
★メニュー名:Sense Of Place - Harmony Banyan (210分)
蘭を使ったボディスクラブを始め二人のセラピストが日頃の疲れを取り除いてくれそう。
*メニューは随時変更される場合があります。

Sense Of Place - Harmony Banyan 210-minute treatment
Standard SGD 1,591.30
Off-Peak SGD 1,398.28
This experience infuses Singapore’s national flower – Orchid in a refreshing body scrub, to offer guests an authentic flavour of the destination.
The highlight is a massage conducted by two therapists who complement each other in physique, working in unison to bring about a harmonious sense of well-being.
Guests can retreat into the spa for a full day of top-to-toe pampering.
Steam Bath • Orchid Brightener • Harmony Massage • Break: Calming Bath with Refreshments • Choice of Facials • Choice of Banyan Hand Basics or Banyan Foot Basics
Off-Peak: Mondays to Thursdays (excluding public holidays) Prices are inclusive of service charge and government tax.
※料金やメニュー内容は予告なく変更される場合があります。

■詳細はコチラ☞ https://jp.marinabaysands.com/hotel/amenities/banyan-tree-spa.html

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