都会で出会う野生動物たち
大都会でありながら、緑も多いシンガポールには、
実にさまざまな野生動物がわたしたちの身近な場所に生息しています。
散歩の途中など身近な場所で、道端や緑が広がるエリアに生息する変わった動物など
ここでは意外とよく目にする機会があります。
■ジャワハッカ(Javan Myna)
シンガポールのどこでも目にすることができる野鳥は、
都会に住む人々にとっては身近な存在です。
最もよく目にするのがジャワハッカで、黒い羽根と明るい黄色のくちばしが特徴的。
元々はインドネシアのジャワ島やバリ島に生息していた鳥ですが、
1920年代にシンガポールに渡ってきたようです。
その後は急速に繁殖が進み、今ではシンガポールで最もよく見る鳥になりました。
自信家で賢いこの鳥は、ホーカーやベンチで食事をしているとすぐそばまで近づいてきます。
この他によく見かける鳥と言えば、イエガラスです。
くちばしに至るまで全体的に黒っぽく、威嚇するような独特なカーカーという鳴き声を出しますが、
人間には害を及ぼすことは基本ありません。
■オオトカゲ(Monitor Lizard)
緑豊かな郊外や自然公園に足をのばすと、
体長が約2.5~3㍍もある大型のオオトカゲに遭遇することがあります。
こうした大型の爬虫類は、森やマングローブ林、水辺を生息地としているため、
貯水池周辺やスンゲイブロウ湿地保護区を歩いていると目にするかもしれません。
オオトカゲは基本的にシャイでおとなしい性格で、人間を避けようとしますが、
恐怖を感じると噛みつくことや、長い尾で攻撃してくることもあります。
オオトカゲの尾の衝撃は、大人の骨を折るほど力が強いため、無駄に刺激せず、
見つけたら距離を置くのがよいのだそう。
わたしはつい最近“シンガポール・ボタニックガーデン”で遭遇しましたよ。
■尾長猿(Long-Tailed Macaque)
野生生物保護区や貯水池、サザン・リッジス・ウォーク周辺を歩いていると、
サルに出会うこともあります。
島全体の森林破壊が進んだため、多くのサルが本来の生息地を失ってしまい、
その結果、人間のエリアに入ってくるようになったためなのだそうです。
本来、サルは人間を襲わないのですが、最近では攻撃的なサルが増えてきています。
賢いサル達は、食べ物が入っているプラスチック容器をつぶす音を聞き分けるのが得意なのだそう。
サルがいるところでは、バッグの中に食べ物の容器を入れ、バックの口はしっかり閉じておくことが鉄則。
残念ながら、サルの攻撃の大部分は、人間が餌を与えてしまうことや、
サルが人間=食べ物があると関連付けていることから生じていますので、
サルには絶対に食べ物を与えないようにし、責任ある行動をとることが望まれます。
■オオバコリス(Plaintain Squirrel)
都心部ではほとんど見かけることはありませんが、
ニシキヘビやコブラなどのヘビも多く生息しています。
しかし、閑静な緑の多いエリアでは、大きな無毒なヘビに遭遇したというニュースもちらほら。
時には有毒なヘビに遭うこともあるのだそう!
無毒と有毒は見分けがつきにくいので、とにかく近づかないようにしましょう。
緑の多いエリアで一番よく目にするのは、なんといってもかわいらしい小ぶりのリスです。
機敏な身のこなしで木々を駆け回り、器用に鉄柵から枝へと飛び移る姿や
果実や木の実を地面で拾っている姿をよく見かけます。
■セキショクヤケイ(Red Junglefowl)
レトロな手描き陶器に描かれているような、カラフルな野鳥。
ニワトリ……ではなく、ニワトリの原種とされる“セキショクヤケイ”と言うそうです。
鳴き声はニワトリそのもの。見かけるときは、だいたい家族です。
メスは鶏冠(とさか)をもっていなくて、茶色い体です。
人馴れしているのか、逃げることもなく堂々としたもんです。
【番外編】ハトにエサを与える行為はシンガポールでは罰金!
公園でたわむれているハトに、食べかけのサンドイッチやお菓子をあげたことってありませんか?
実はシンガポールではNG行為なのです。
公共の場でエサを与えた場合、S$500の罰金が課せられます。
これはハトだけでなく、ほかの動物も同じですので要注意です。
シンガポールでは深刻な『ハト問題』があります。
ハトが周囲の高層コンドミニアムに巣を作ってしまうことが珍しくなく、
特に、室外機の裏側などは雨風を防ぐことができるうえに、
稼働時には周囲が暖まるため、ハトにとっては子育てにぴったりな場所となっており、
巣が見つかることの多い場所のひとつとなっています。
ちなみに、シンガポールでは鳥獣保護のため、
勝手に卵やヒナがいる巣を撤去することができないことから、
専門業者に駆除の依頼を出す必要があるそうです。
うちでも室外機付近にハトがたむろっているところをよく見かけます。
都会にいながら、日常でさまざまな魅力的な野生生物に出会えるのは、
この国ならではなのかもしれませんね~
-
オプショナルツアー(現地発着)JPY15,059〜※価格は予告なく変更になることがございます。JTBベテランガイドと行くシンガポールのディープスポットを巡り、現地の生活習慣や文化が学べる2時間のウォークツアーです。