ティリティリマタンギ島 オークランドから行ける野鳥の楽園[2023年5月更新]

JTBニュージーランド
メェ子

ニュージーランドは野鳥の宝庫

ニュージーランドは知る人ぞ知る、野鳥の宝庫。国内各地には野鳥保護区が設けられており、バードウォッチングが楽しめます。北島のオークランドから船で1時間15分の場所にあるティリティリマタンギ島も、環境保護省(DOC)が管理する野鳥保護区のひとつです。

かつては牧場として開拓されましたが、自然保護の観点から土地が買い戻され、島全体が野鳥保護区となりました。現在、島内に住人はおらず、DOCのスタッフやボランティアの人々がオークランドから通いながら、島内の整備を行っています。

彼らは、ニュージーランド固有種の植物や樹木の植樹を行うほか、鳥の天敵となるイタチやポッサム、ネズミや犬などの動物が島内に持ち込まれないよう厳しく監視しており、鳥たちが繁殖しやすい自然環境の再生を目指しています。

北島のオークランドから船で行くことのできるティリティリマタンギ島

ガイドツアーに参加して、鳥博士になろう!

ティリティリマタンギ島では、DOCのスタッフやボランティアの人々によってガイド付きツアーが催行されています。また、オークランド市内発着で日本語ガイド付きのツアーも催行されています。現地のベテランガイドの野鳥に関するガイド案内を聞きながら、実際の鳥に出会えたら、あなたもきっと鳥博士になれることでしょう!

鳴き声が特徴的なベルバード

青い体に赤い嘴が印象的な鳥、プケコ

ティリティリマタンギ島へは、オークランドから定期フェリーが運航しています。自然保護の観点から1日150人までの入島制限があるため、フェリーは水曜から日曜までの週5日間、1日1往復のみです。ツアーでも個人でも利用できますが、必ず事前に予約をしておきましょう。

島に到着すると、DOCのスタッフから島の概要と注意事項の説明があり、その後、約2時間半の島内ハイキングがスタートします。個人で歩くこともできますが、DOCのスタッフやボランティアガイドと一緒に歩けば、鳥の話はもちろん、島の歴史や植物の特徴なども教えてもらえるので、とても有意義な時間が過ごせること間違いなしです。

島には約80種類の野鳥が生息しており、森の中で目を閉じると、あちこちから鳥たちの歌声が聞こえてきます。またフェリー乗り場から少し歩いたところでは、ブルーペンギンの巣があり、木のふたを外すと中の様子を観察できるようになっています。

さらに遊歩道に沿って餌を置く台が設置されているため、トゥイやベルバード、ファンテールやロビンなどの鳥たちを間近で観察できるチャンスもあります。餌台は、絶好の野鳥撮影スポットにもなっていますので、ぜひカメラはお忘れなく。

桟橋を渡って、島へ渡ります

絶滅危惧種「タカへ」にも出会える

ハイキングコースのゴールは、丘の上に立つ灯台です。小さなショップもあり、鳥のグッズや野鳥図鑑などが販売されています。コーヒーや紅茶は無料でサービスされていますが、食べものは販売されていませんので、船の売店で購入するか、ピクニックランチを持参しましょう。

灯台の付近には、絶滅危惧種のタカへがいますのでお見逃しなく。赤い嘴と青と緑の羽を持つカラフルな鳥で、地面をのんびりと歩きまわっています。

実はこのタカへは、国鳥のキーウィと同じく、翼が退化した飛べない鳥です。そのため、開拓時代にヨーロッパ人がニュージーランドに持ち込んだ哺乳動物によって捕食され、個体数が激減してしまいました。一時は絶滅したと考えられていましたが、1948年に少数の生き残りが発見され、その後は国を挙げて繁殖のための保護活動が行われています。

ニュージーランド国内でも、檻や金網を挟まずにタカへを間近で見られる場所は、この島をのぞいてほとんどありません。ぜひじっくり観察してみましょう。

絶滅危惧種のタカへも間近で見られるかもしれません

ニュージーランドの人々が入島制限を設けてまで野鳥保護区を造る背景には、人間のせいで、この国固有の生態系を壊滅的な状況にしてしまったという深い反省があります。

ティリティリマタンギの、どこか憎めないタカへの姿や、森に響き渡る鳥たちの歌声からは、野鳥たちを守ろうとする人々の熱い思いが感じられますし、その思いが着実に形になっていることが伝わってきます。

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