クアラルンプールの下町を歩いてみよう♪~カンポンバル編
カンポンバルの歴史
マレー語でカンポンは「村」、バルは「新しい」。カンポンバルは「新しい村」という意味です。
カンポンバルは1900年にクアラルンプールをぐるっと取り囲むセランゴール州のスルタン(王様)によって設立されました。カンポンバルはカンポンマスジッド、カンポンパヤ、カンポンピンダなど合計7つの村から構成されています。当時イギリスの植民地政府とセランゴール州スルタンは、田舎からクアラルンプールにでてきてマスジッドジャメ周辺に住んでいたマレー系の人々に農業を奨励するため、この土地を農業用開拓地に認定し移住を促しました。マレー系の人々が都会でもカンポン(田舎や故郷の意味を指します)のような暮らしができるようにとのもと行われました。ですが後にカンポンバルは農業活動には適さない土地とわかり、マレー系の人々専用の居住地となりました。このような歴史的背景からカンポンバルはマレー人居住区と呼ばれています。現在は商業と住居の混合地区へと発展しています。
カンポンバルに行ってみよう!
クアラルンプールの下町「カンポンバル」へは、LRTクラナジャヤ線のカンポンバル駅が最寄り駅になります。カンポンバル駅を出たら左手へ進みましょう。そこはもう下町カンポンバルの入り口です。
カンポンバルはクアラルンプールのシンボルであるペトロナスツインタワーから目と鼻の先にあります。カンポンバルの周りはツインタワーをはじめ高層のビル群が建ち並び、どんどん開発が進んでいます。なのにカンポンバルの地区だけ時が止まったかのように昔ながらの家々が残されており、マレー系の人々の昔ながらの風習や文化がまだ色濃く残っています。カンポンでの生活や食べ物、伝統家屋、文化などを垣間見ることができますよ。
カンポンバルの住まい~マレーシアの伝統的な高床式住居
カンポンバルには、マレーシアの伝統的な高床式住居が今もたくさん残されています。これらの住居は1900年代に建てられ今でも住居として実際に使われています。
高床式住居は雨が多く、1年中気温の高い高温多湿のマレーシアで快適に暮らすための工夫がされた住居になっています。家全体は地表面から階段4、5段分持ち上げられています。これは洪水対策のためです。窓は家の通風性をよくするために観音開きで大きく開放できるようになっています。屋根は勾配のきつい作りでこれは雨が流れやすいように。また屋根のひさしは深めになっていて直射日光の侵入を避け適度に陰を作るためとなっています。熱帯周辺の湿潤な気候環境に適したつくりなんですね。
これら高床式住居はカンポンバルを取り囲む高層ビル群とはとても対照的でユニークな風景ですね。
下町の風物のこるカンポンバル
クアラルンプールのシンボルであるツインタワーからごく近いカンポンバルですが、下町には昔懐かしい風物も残っています。
写真上:お菓子屋さん
お正月や行事、お祝い事の時によく食べられる伝統的なお菓子を売るお店。
写真下:ロティバブ
二輪バイクにたくさんのお菓子やおもちゃ、パンをぶら下げて移動販売しているおじさんのこと。ロティはマレー語でパン、バブはバイクについているラッパの音(バブーバブーという音)からだそうです。
お菓子やおもちゃはバイクを囲むようにぎっしり隙間なく取り付けられています。バイクのボディーも座る場所もほとんど見えないくらいで、それを器用に運転しているさまはなかなか圧巻です。ロティバブは住宅地や学校の近くを回って移動販売しています。大都会クアラルンプールの中ではここカンポンバル以外ではあまりお目にかかることはないと思います。マレーシアの下町の風物ですね。バブバブーと聞こえてきたら子供達だけでなく、大人も寄ってきます。みんなロティバブを楽しみにしています。
カンポンバルの新名所「サロマリンク」
最後にご紹介するのは2020年2月にオープンしたクアラルンプール新名所。インスタ映えスポットとしても人気のサロマリンクです。
サロマリンクはカンポンバルとツインタワーのあるアンパン通り側を結ぶ歩道橋です。カンポンバルとツインタワーの間にはクラン川と高速道路が通っています。そのため、目と鼻の先の距離なのにぐるっと大通りを通って30分以上かかっていました。サロマリンクを利用すればわずか10分ほどでツインタワーまで行くことができます。カンポンバルを観光した後は、是非サロマリンクを使ってツインタワーまで行ってみてください。
いかがでしたでしょうか。
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