春の伝統行事パスクワ
パスクワって何?
イタリアでは復活祭(イースター)のことをパスクワと呼びます。
イエス・キリストが亡くなってから3日後に復活した日を祝う日。古くから「春分のあとの最初の満月の後の日曜日」と定められていて、毎年3月下旬から4月中の日曜日がパスクアにあたります。
聖金曜日 Via Crucis
復活祭前の聖金曜日の夜、キリストが磔刑に至るまでの14の受難を黙想し祈りをささげるカトリックのとても大切な祭儀「十字架の道行き」がコロッセオで執り行われます。
会場となるコロッセオ周辺の遺跡地区では人々の手にするろうそくの火と祈りで厳粛な雰囲気に包まれます。
イタリア人はどうやって過ごすの?
国民の半分以上がカトリック信者のイタリアでは、クリスマスと同じくらい大切な行事。家族・親戚が一同に集まり、昼食会をするのが一般的な過ごし方です。
ゆっくりと時間をかけながら食事をし、一通り食べ終わると、パスクアのお菓子、コロンバや卵型のチョコレートを食べながらおしゃべりをしたりと家族との絆を深めます。
パスクワの伝統料理①
パスクワの日は「生命の誕生」を意味する卵が食べられ、キリスト教徒の習わしでは教会で洗礼を受けたゆで卵を頂きます。
たとえば、ローマや中部イタリアではパスクワの日の朝食としてピッツァ・ディ・パスクワ(ペコリーノチーズ風味の菓子パン)と卵とサラミが必ず食卓に用意されます。
パスクワの伝統料理➁
子羊のローストや煮込みなどのメイン料理にポテトやカルチョフィなどの野菜を合わせて頂くのが主流。
ただ最近では、「子羊は苦手!」という人も少なくないので、誰でも食べられる牛肉、豚肉、鶏 肉をメインにする家庭が多いようです。
パスクワのお菓子
パスクワが近づくとカラフルな卵型やウサギ型のチョコレートやコロンバ菓子などのディスプレイが街に溢れるので、とても楽しい気分になります。
タマゴは生命誕生の象徴であり、ウサギは多産であることから生命の復活と繁栄を祝うパスクワのシンボルとなっています。
Uovo di pasqua(ウォーボ・ディ・パスクワ)
イタリアでパスクワに向けて販売される卵型チョコレート。
中は空洞になっていて、おまけの玩具やアクセサリーなどサプライズプレゼントが入っていて、子供から大人まで年齢にかかわらず楽しみながらチョコレートを割るのがパスクワの醍醐味のひとつ
Colomba(コロンバ)
コロンバとは、イタリア語で鳩。平和のシンボルである鳩を模ったお菓子です。
厚みのあるふわふわの生地にオレンジピールが練り込まれており、生地の甘さとともにオレンジのさわやかな香りと味わいを楽しむことができます。
パスクェッタという名の祝日
パスクワの翌日パスクエッタ(Pasquetta)は春の訪れを祝い ピクニック をするのが定番です。
パニーニを作ったり、前日食べきれなかった料理やお菓子を持って外に出かけてランチを楽しみます。親しい友人や家族と外で食べるランチは、普段の何倍も美味しい事でしょう!