実はエンターテイメントの宝庫！インドのディナーショーを楽しむ！

「ボリウッド」で知られるインド映画には、歌とダンスが欠かせませんが、そのベースとなっているのは、実はインドに長く受け継がれている古典舞踊ということも少なくありません。
古典舞踊は地域によって、さまざまなスタイルがあり、それぞれがその地域の成り立ちや文化と深く結びついています。
インドで古典舞踊や伝統音楽を手軽に楽しめるディナーショーをご紹介しましょう。

今や1ジャンルとして確立された「インド映画=ボリウッド」の世界。 １本の映画の中に歌ありダンスあり、ラブロマンスはもちろん壮大なアドベンチャーもあり、と最後まで観客をぐいぐい引き付けてしまうインド映画は、日本でも多くのヒット作が生まれています。
ボリウッドとは、インド映画の都ムンバイの旧称「ボンベイ」と、映画の聖地「ハリウッド」とを合わせた言葉。
ボリウッドの特徴の１つが、劇中突然始まる歌とみんなで踊り出すダンスでしょう。
インド映画界では長い間、恋や愛のあからさまな表現は避けられ、女性の服装も体の線が目立つものや、肌を露出しすぎるものはタブーとされてきました。
しかし、ラブストーリーは世の若者たちの最重要テーマの一つ。
そこでインドでは感情の高まりや二人のロマンチックな思いを、歌と踊りに込めて表現するようになったのだとか。
ドラマチックな展開、そのクライマックスになると主人公たちが歌い出し、数十人ものバックダンサーたちと一斉に踊るダンスシーンは、ボリウッドにはなくてはならない魅力となっています。

このボリウッドのダンスは、決して一朝一夕にできたものではありません。
4000年以上前の遺跡からもダンサーの像が発掘されるなど、インド文化・歴史と舞踊とは切っても切れないつながりがあるのです。
インド古典舞踊には、大きく５つに分かれます。

(1)ケララ州周辺のカタカリ
男性が演じる、演劇性の強い踊り。「マハー・バーラタ」「ラーマー・ヤナ」などの神話を題材にしています。手や指先で表される「ムードラ」と呼ばれる型で、ストーリーや感情を表現します。

(2)オリッサ州のオデイシ
女性１人で踊られるもので、上半身の動きが叙情的と言われます。
多くはクリシュナ神話を題材としています。

(3)マニプル州のマニプリ
その他の古典舞踊に比べて、東南アジア的な舞踊が特徴。

(4)デリー周辺のカタック
ムガール帝国によって保護された舞踊でヒンドゥー教的要素とイスラム教的要素を合わせ持っています。
上半身や手指の動きはあまりなく、足を激しく動かします。
足に鈴をつけて音楽に合わせる踊りも。

(5)チェンナイ周辺のバーラタ・ナーティヤム
女性のソロで、足を激しく動かし手の動きと調和がとれた踊り。
最古の舞踊と言われています。

ボリウッドダンスの豊かな感情表現に、古典舞踊の技や特徴が最大限生かされているのかもしれません。

今に息づくインドの舞踊は、手軽に見ることができます。
デリーの中心、チャンドニー・チョウクには、ムガール帝国時代の建築物をリノベーションしたレストラン「ハヴェリ Haveli」では古典舞踊カタックや伝統音楽と、ムガール料理を楽しむディナーショーが催されています。
ハヴェリはかつてマハラジャの邸宅を、当時の面影を壊さないようレストランに改装したもので、建物そのものも必見です。
ショーの前後には、レストラン内を見学することもできます。
個人で予約することも可能ですが、デリー発のオプショナルツアーでは滞在ホテルへの送迎はもちろん、日本語ガイドによる建物や舞踊、音楽の解説もあり、楽しさが倍増しますよ！

ハヴェリ　Dharampura Haveli
公式サイト（英語）　：https://www.havelidharampura.com/
住所　　　　　　　　：2293, Gali Guliyan, Dharampura, Delhi-６
最寄り駅　　　　　　：Chawri Bazaar