「一度は訪れたい世界の名所50選」、「世界の10の楽園」に選ばれたインドのケララ州

デリーから飛行機で約2時間半、インド南部に位置するケララ州。特に欧米からの観光客が多く、旧市街と新市街に分かれ、たった1日で観光できてしまうコンパクトな大きさ。昔から続くインド貿易港の要として機能してきたため、大きなクルーズ船や貨物船も就航します。

特に人気スポットは旧市街にあるフォートコーチエリア。町中は大航海時代や植民地時代の風景の名残が点在し、欧米風の町並みでアートギャラリーなどもあちこちにあります。そこで体験できることは各観光施設を訪れるのも良いですが、中国もしくはポルトガルから伝わったといわれている「チャイニーズネットフィッシング」体験がおすすめです。

地元漁師たちが数人で行う漁を指し、重石を10個ほどつけた10メートルほどの大木の先に大きな網を張り、大木を利用して海に網を落とします。5～10分ほど経過したら皆で大木を持ち上げて網にひっかかった魚を収穫するという単純な漁。ただ、収穫は毎回運にお任せ！だそう。体験したい場合は漁師に掛け合えば可能です。

海岸線にはたくさんの漁師達が毎日競りをし、その日の収穫された新鮮な魚をさばきます。魚の他にロブスター並みの大きなエビやカニなども売られ、誰でも買うことができ、その場で食べたければ揚げ物にしてくれます。

海岸沿いの反対側には、あちこちに植民地時代に建てられたオランダの邸宅だった建物や、ポルトガルの要塞跡、教会などがみうけられます。中でもユダヤ教礼拝堂のシナゴーグは現在ではたった5名の信徒のために今でも機能しています。（礼拝日の金・土・ユダヤ教祝日以外は見学可）

未だヨーロッパの香りが残る魅力的なコーチの町散策を心ゆくまでお楽しみいただけます。

古くから南インドで伝わってきた武術の「カラリパヤットゥ」。もともとは戦いで磨かれてきた技が今となっては芸術とみなされています。その評価は身体の美しさ然り、動き、魅せ方、精神の統一、闘志などが全て揃った上で芸術と見なされ、プロになるまで最低4年間はかかるといわれています。武器は様々な長さの剣や棒。至近距離で繰り広げられる戦いは臨場感たっぷりで手に汗握る鑑賞です。

またインド各地域で伝統舞踊が数ある中、南インドでは神様を模倣したダンス「カタカリダンス」が有名。その姿は顔を緑色や真っ赤に塗り、時には本格的な神を表現するために目を赤く充血するのに唐辛子を目に塗るそうです。魂のこもったダンスは迫力があり印象的です。

またコーチから約６０キロ、車で約2時間の距離にある風光明媚なバックウォーター＝水郷地帯「アレッピー」には１００以上を超える運河が流れ、宿泊付ハウスボートが水面を滑ります。

参加人数にあわせ、最小で１ベッドルーム、最大で３ベッドルーム付のボートがあり、家族旅行や友人との旅行に人気です。ボート内にはキッチンと清潔なトイレもあり快適に過ごせます。３～４名のスタッフが一緒に乗り込み全てのお世話をしてくれます。宿泊の場合は3食付で、魚のフライ、チキンやフィッシュカレー、サラダにデザートなどが提供されます。

このケララ州の西側半分は2000メートルを超える山岳地帯が続き、昔からインドで最も需要があって価値のあるスパイスを収穫して来ました。16世紀には、かの有名な大冒険家ヴァスコダ・ガマがポルトガル船で上陸。それ以降、インドは大航海時代の貿易面で莫大なお金と地位を約束しました。当初、スパイス運搬船で使われていたボートは時と共にお米の運搬船に変り、今では観光用のバックウォータークルーズボートと姿を変えていきました。そんな歴史の背景のあるボートで、ひとつの喧騒もないヤシの木の間をゆったりのんびり過ごすのは、とっておきの時間が流れること間違いなしです。

●内容＝ランチ付３時間コース、宿泊コースがあります。

南インドで有名な食事といえばバナナの葉にのった地元野菜カレー「ミールス」。思い切って手食で挑戦します。最初はかなりの抵抗感がありますが、やってしまえば全く気にならなくなり、どんどんおいしく感じてしまうのが不思議！バナナの葉も取れたてで、きれいに洗ってから直に葉の上に３～５種類のカレーやお米、インド製漬物（クセがありますが、カレーと一緒に食べるとやみつきに）、バナナをのせてくれます。カレーやお米のおかわりは自由で、何杯でも食べられます。

ケララ州では大昔から多種多様のスパイスが収穫できたため、それらを用いた医療「アーユルベーダ」が発達していきました。街中には100％ナチュラル製品を置く薬局や医療用スパマッサージなどがあります。マッサージでは、その時の身体の状態や脈拍を診て、個人に合せたオイルをチョイスしてくれます。