バリの伝統舞踊を知ろう!
バリ子
伝統舞踊はバリの人気エンターテイメント。レストランのほか、劇場、寺院、屋外などさまざまな場所で鑑賞できます。もともと宗教儀礼としての位置づけでしたが、オランダ統治下でバリにきたヨーロッパ人が外国人も楽しめる舞台芸術として発展させました。多様な歌舞団が活動し、その技術や個性を定期的に行われる公演で堪能できます。
バリの伝統舞踊にはたくさんの種類があり、踊りに込められた意味もさまざま。それらの意味を理解することで、舞踊鑑賞が一層楽しいものとなるでしょう。今回は観光客が目にすることの多い代表的な舞踊、レゴン、ケチャック、バロンについてご紹介します。
きらびやかな女性ダンサーによるレゴン・ダンス
もともと宮廷内での娯楽として創られた舞踊。19世紀にスカワティ王が夢に見た天女の舞を再現させたのが始まりと言われており、きらびやかな衣装をまとった女性ダンサーが優雅に演じます。レゴン・ダンスの演目のなかで最も有名なのが3人の女性が演じる「レゴン・ラッサム」。ラッサム王はダハ王国のランケサリ姫に求婚しますが、姫には婚約者がいたため拒絶されます。怒ったラッサム王はダハ王国に攻め入ろうとしますが、その直前に神の鳥ガルーダが現れて負戦を告げられ、王とガルーダの戦いの舞で終演です。ラッサム王とランケサリ姫がまったく同じ衣装で同じ踊りをするのが特徴です。姫の侍女役はガルーダ役も兼ねるので、スター的なダンサーが演じることが多いとされています。
レゴン・ダンスはウブドのプリサレン王宮やウォーターパレス、ウブド近くのプリアタン村バレルンステージ等のほか、サヌール地区のレストラン、南部エリアの大型ホテルのディナーショーなどで見ることができます。ングラライ・バイパス沿いのクマンギレストランでは、日曜を除く毎日レゴン・ダンスを上演しています。
幻想的な掛け声の合唱舞踊、ケチャック・ダンス
本来は魔を祓う宗教儀礼でしたが、19世紀にインドの叙事詩『ラーマーヤナ』を取り入れた観光舞踊劇に再編されました。大勢の男性による「チャッ、チャッ、チャッ」という掛け声は複雑なリズムを刻んでおり、炎の明かりの中での力強い動きとともに、見る人を次第に圧倒していきます。物語は、父である王に裏切られたラーマ王子が妻のシタと弟のラクサマナとともに王宮を出ていきますが、シタが悪の王ラワナに連れ去られてしまい、シタを連れ戻そうとラーマ王子がラワナ軍と戦い、勝利するというもの。激しいアクションが見もので観光客に人気の舞踊です。
ケチャック・ダンスはウルワツ寺院、タナロット寺院、タラム・ウブド寺院などで見ることができます。
生き生きとした表情に魅了されるバロン・ダンス
かつては災難のあった村で厄祓いのために踊られていましたが、現在はインドの叙事詩『マハーバーラタ』などの物語を取り入れた舞踊劇として外国人も気軽に楽しむことができるものとなっています。
最大の特徴は、日本の獅子舞のようなかぶりもの。これは善の象徴であるバロンという聖獣で、踊り手は両手を駆使して面を操ります。善の象徴バロンに対し、悪の象徴である魔女のランダと終わりなき戦いを繰り広げるという舞踊で、善と悪(または陰と陽)の相反する力が共存することにより、世界の均衡が保たれるというバリの世界観を表しています。
バロン・ダンスはウブド地域では毎晩公演されていますが、バトゥブラン村では毎朝9時半ごろから開演しています。
ウブド近郊で上演されている伝統舞踊については、当日各公演会場にてチケットを直接購入します。上演時間はだいたい19時か19時半から始まり、1時間から1時間半ほど。これらの舞踊を見ながら食事をすることはできないので、ディナーを兼ねて舞踊鑑賞をしたい場合は、レストランやホテルのショータイムを利用しましょう。
JTBでは、伝統舞踊に見逃せない観光スポットを組み合わせたツアーをご用意しています。ウルワツ寺院の夕日鑑とケチャック・ダンス鑑賞のあとにシーフードディナーを楽しめるもの、バロン・ダンス鑑賞とデンパサールの市場めぐり、バリコーヒー工場見学を組み合わせたものなどさまざま。ぜひご活用ください。
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