美しい田園風景が織りなすバリ島の世界遺産に迫る
インドネシアの世界遺産というとボロブドールが知られていますが、バリ島では2012年にようやく世界遺産に登録されました。それも、ひとつの遺跡や自然ではなく、「トリ・ヒタ・カラナ哲学に基づくスバック灌漑(かんがい)システム」という19500ヘクタールにも及ぶ文化遺産です。今回は広範囲にわたる世界遺産の中から必見の観光スポットをご紹介します。
世界文化遺産に登録されたのは以下の4つのエリアです。
■バトゥカル山保護区とスバックの景観
■ウルン・ダヌ・バトゥール寺院&バトゥール湖
■タマン・アユン寺院
■パクリサン川流域とスバックの景観
まず、「スバック」とは何でしょうか?
スバックとはバリ島の伝統的な水利組合のことです。バリ島は豊かな水と肥沃な土地に恵まれ、古くから水田耕作が盛んでした。より効率よく田に給水するため、水源から流れてきた水をダムのような場所で一旦貯水し、それを各自の田へ公平に配分するシステムを構築し、それをひとまとまりの農民で保有しました。スバックごとに寺院を持ち、長が取り仕切り、水の神への崇拝や水に係る宗教儀礼なども行ってきました。
次に「トリ・ヒタ・カラナ」ですが、これは神と人と自然の調和を意味するヒンドゥー教の概念です。スバックの灌漑システムは、トリ・ヒタ・カラナの哲学によって構築され維持されてきた、というのが世界遺産登録の理由です。
広範囲に渡る世界遺産ですが、田園文化の象徴的なスポットがあり、それらをうまくつなぐと1日で回ることができます。
ジャティルウィの棚田
スバックの景観として象徴的なものが棚田です。棚田といえばウブドに近いテガラランも有名ですが、比較にならないほど広く、ダイナミックなのがバトゥカル山の麓にあるジャティルウィ。ジャティルウィとは「本当に美しい」という意味で、地元の人たちがそう呼ぶほどの絶景です。あぜ道を歩けば、360度に広がる水田のパノラマを楽しむことができます。
タマン・アユン寺院
タマン・アユン寺院は、1634年にかつてのムングウィ王国が作った国寺で、ブサキ寺院に次ぐ大きな寺院です。境内を囲む水路は田園地帯へ流れ込み、周辺集落の稲作を支えています。タマン・アユン寺院のもうひとつの特徴はメルと呼ばれる塔の存在。聖なる山、アグン山を模した11層の巨大な4塔を含む9つのメルがそびえ立ち、「バリで最も美しい寺院」とも言われています。
ウルン・ダヌ・バトゥール寺院とバトゥール湖
バトゥール湖はバリの貴重な水源であり、スバックの基となる場所。ウルン・ダヌ・バトゥール寺院はバトゥール湖の女神を祀ったところで、もともとは湖畔に立っていましたが1926年のバトゥール山の噴火で現在の場所に移設されました。ウルン・ダヌ・バトゥール寺院からバトゥール湖を望む周囲はキンタマーニ高原と呼ばれ、バリ観光の中でも必見の人気スポットです。バトゥール湖を眺めながらランチを取ることもできます。
JTBでは、タマン・アユン寺院を観光し、ジャティルウィの棚田を見ながらランチを取った後、タナロット寺院に立ち寄り、最後にティータイムを設けた1日ツアーを実施しています。バリの世界遺産を堪能できる内容となっています。また、世界遺産スポットを日本語ガイド付きのカーチャーターで巡るのもお勧めです。
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