ベルサイユ宮殿内のカフェ・レストラン事情
広大なベルサイユ宮殿をじっくり堪能するということは、必然的に、かなり歩き回ることになります。せっかくなら、途中のランチや休憩タイムも、庭園の水辺や花々、美しい建物などを見ながら、園内で楽しみたい!そんな要望に応えるべく、ベルサイユ宮殿の敷地内には、様々なレストランやカフェ、売店が用意されています。
例えば、フランス宮廷で17世紀から愛飲されるようになった飲み物、ココア(ホットチョコレート)。ルイ王朝時代の貴婦人たちも大好きだったというこのココアや、美味しいお菓子を供する有名店が「アンジェリーナ」で、ベルサイユ宮殿敷地内には2店舗あります。ほかにも、園内を流れる運河の景色を眺めながら、パスタやリゾットが楽しめるイタリアン・レストラン、気軽に飲み物やサンドウィッチをテイクアウトできる売店などが揃っていて便利です。
また最近、話題を集めているのは、フランスが誇るミシュランの星付きシェフ、アラン・デュカスの店が、ベルサイユ宮殿内に出店するというニュースです。現代的なカフェをオープンする計画に加え、2018年には、同じく敷地内に開業する新ホテルの中に、デュカスのレストランがオープン予定。実現すれば、食の面でも、いっそう華やかで充実したベルサイユ観光が楽しめそうです。
それでは、ベルサイユ宮殿敷地内にある、主なグルメ&カフェスポットをご紹介しましょう。
貴婦人気分で「アンジェリーナ」のショコラとお菓子を!
サロン・ド・テ アンジェリーナ(Salon de Thé Angelina)
創業1903年の老舗、アンジェリーナ。2店舗のうち宮殿内1階にある店は、セルフサービスのカフェと、ゆっくりお茶や食事ができるサロン・ド・テで構成されています。
アンジェリーナといえば、今や東京にもお店があり、モンブランが大人気ですが、フランスでの看板メニューは「ショコラ・ショー・アフリカン」(ホットチョコレート)。ニジェール、ガーナ、コートジボワールのアフリカ3か国産の上質なカカオ豆を独自にブレンドする自社秘伝の製法を守り続けているそうで、別添えのクリームと一緒に供されます。お味はリッチで濃厚!これからの暑い季節なら、冷たいチョコレートドリンクで、歩き回った後の疲れを癒しましょう。
サロン・ド・テでは、朝食、サンドウィッチやクロックムッシュー、ロレーヌ風キッシュ、トリュフ入りオムレツ、サーモンやフォワグラのサラダなどの軽食メニューが充実。お値段の目安は、為替レートにもよりますが、一品25ユーロ前後です。ベルサイユ宮殿でゆっくり一日を過ごすなら、前菜と主菜を選び、ゆっくりコースのランチを召し上がるのもおすすめです。
Website: angelina-versailles.fr
アンジェリーナ・小トリアノン離宮店(Angelina Terrace au Petit Trianon)
格式張ったフランス宮廷のしきたりが苦手だったマリー・アントワネットが好んだのは、牧歌的な農村を模した離宮、プチ・トリアノン。ここにもアンジェリーナのお店があります。営業時間は午後のみで、食事はできませんが、ショコラ・ショーやお菓子を楽しむことができます。また、プチ・トリアノン店は、ベルサイユ宮殿への入場チケットがなくても、立ち寄ることができます。
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オプショナルツアー(現地発着)優先入場あり! 絢爛豪華な内装と歴史の舞台となったベルサイユ宮殿を、日本語ガイドとともに見学します。ベルサイユ宮殿のレストランを楽しみたい方は、現地離断いただくことも可能です。ご相談ください。
ほかにも選択肢はいろいろ!座って食事できるレストランやカフェ
ラ・プティ・ヴニーズ(La Petite Venise)
庭園内を流れる大運河の北側、プティ・ヴニーズ広場沿いのレストラン。「小さなヴェネチア」の名の通り、イタリア風のメニューが充実。サンダニエーレ産生ハムとメロン、牛肉のタリアータ、スープ、パスタ、リゾット、デザートにはティラミスなども。お値段の目安は一品10~20ユーロほど。屋外テラス席と、室内席があります。
ラ・フロティーユ(La Flottille)
大運河に面したレストラン&カフェ。レストランの内装は、20世紀初頭の雰囲気で、きちんとクロスを敷いたテーブル席と、屋外テラス席、バーで構成。レストランの営業は昼から午後15:30まで。メニューは、アラカルトとコース料理があり、主菜とデザートのコースは28.5ユーロ、子供向けコース(チキンナゲットとフレンチフライ、ジェラート、飲み物)は15.9ユーロなど。10ユーロ前後でピザやサラダ、パスタ、温かい肉料理、クレープなどが食べられます。
ブラッセリー・ド・ラ・ジランドール(Brasserie de la Girandole)
森の中のテラス席のお店。お持ち帰りもできます。メニューは軽いものが中心で、サンドウィッチ、ガレット、オムレツ、ピザなど。価格は5ユーロ前後からと、比較的リーズナブル。サラダとワイン、タルトとお茶など、軽くお腹に入れたいときに重宝します。
ル・グラン・カフェ・ド・オルレアン(Le Grand Café d'Orléans)
宮殿内の一階にあり、王侯の中庭(Princes' Courtyard)からもアクセス可能。カウンターでサンドウィッチやペストリー、コーヒーを受け取り、自分で席を探すカフェテリア形式。
気軽に立ち寄るなら、屋外の青空店へ
●ラ・パルマンティエ・ド・ベルサイユ(La Parmentier de Versailles)
庭園内の屋外スタンド店で、テイクアウト利用のみに対応。大きなサイズのベイクドポテトに、チーズなど色々なトッピングをした料理に、サラダも添えられています。けっこうボリュームがあるので、軽い食事替わりにも。「パルマンティエ」の語源は、ルイ王朝時代に、飢饉対策としてジャガイモの栽培を奨励した大臣、パルマンティエ氏の名前。フランスでは、ジャガイモ料理の名前によく冠されます。
そのほか、飲み物各種やスナックを扱うビュヴェット・デュ・ドーファン(Buvette du Dauphin)や、Orangemast社が運営する移動式カートの絞りたて生オレンジジュースなどが利用できます。マカロンが有名なラデュレ(Ladurée)の小さな店も敷地内にありますが、こちらは販売のみ。マカロンや紅茶、ジャム、マカロンのほか、キーホルダーやバッグなどのグッズが購入できます。ベルサイユ宮殿限定品があるかも!
アラン・デュカスの新レストランも待ち遠しい!
最後に、大注目のアラン・デュカスによる新しいレストラン情報を紹介しましょう。
デュカスがベルサイユで手掛ける店は2つ。まず、2015年末に発表されたのが、観光客向けの施設拡充のため、改修工事が行われた宮殿敷地内の建物、デュフォー棟(Pavillon Dufour)内の1階にオープン予定のコンテンポラリー・カフェ「デュカス・ア・ベルサイユ - オレ(Ducasse à Versailles – Ore)」。ラテン語で「口」を意味する「Ore」を店名にし、フランス人にとって「生きる喜び」に欠かせない要素、“口福”を追求するのがコンセプト。一部の報道記事によると、カフェのオープンは2016年後半に予定されているとか。
続いて2016年4月に飛び込んできたのが、ベルサイユ宮殿敷地内に新しいホテルが開業するというニュース。ベルサイユ宮殿を管轄する仏当局が、LOVホテル・コレクションとアラン・デュカス・エンタープライズの共同プロジェクトに、グラン・コントローレなど、現在、使用されていない建物を計3棟、貸与する契約を決定。17世紀に建てられ、フランス革命後は仏財務省のビルなどに使用されてきた歴史的建築物を尊重しつつ、ホテルやレストランに必要な新しい施設の追加工事が行われます。開業予定は2018年。客室は20室。ホテル内には、デュカスが手掛けるレストランがお目見えする計画で、こちらは「18世紀のフランス宮廷からインスピレーションを得た、クラシックで洗練された内装」と、かなり豪華なレストランになりそうな予感です。
ルイ14世が巨万の富と長い歳月をかけて築いた世界最大級の宮殿、ベルサイユ。今も着々と進化を続けているこの絢爛豪華な宮殿を、ぜひご自身の目で確かめてみませんか。ベルサイユ観光の現地発着ツアー情報はこちらへ。
この記事でご紹介したスポット
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オプショナルツアー(現地発着)優先入場あり! 絢爛豪華な内装と歴史の舞台となったベルサイユ宮殿を、日本語ガイドとともに見学します。ベルサイユ宮殿のレストランを楽しみたい方は、現地離断いただくことも可能です。ご相談ください。