バルセロナ郊外の神秘の奇岩群モンセラットへ

スペインのカタルーニャ地方、バルセロナ近くにある独特な形状の山頂の連なりがモンセラットです。
「のこぎり山」という名の通りの奇怪にそびえ立つ岩山が放つ不思議な魅力は、あの天才建築家ガウディにも建築のインスピレーションを与えたと言われています。
もう一つの見所、黒いマリア像がある修道院は山の中腹の標高700mに位置します。
天気が良ければバルセロナ市街はもちろん、フランス国境のピレネー山脈までをきれいに望むことができます。

モンセラットといえば有名な山の一つ。そこから見える景色は思わず息をするのも忘れてしまうくらい絶景です。春から夏にかけて緑たくさんの木々が生い茂り、秋には素晴らしい紅葉も見れます。寒い冬だからこその澄み切った空と絶景･･･四季折々のいろいろな自然の風景が感じられるモンセラットへ、バルセロナにお越しの際は是非足を延ばしていただきたいです。

標高1,236ｍのモンセラットに到着してから上を見上げると、そこには「のこぎり山」と呼ばれるのが分かるくらいのいびつな形をした岩山が出迎えてくれます。ガウディ建築のモチーフのヒントとされたとも言われていますが、丸々としたその形はガウディの直線を持たない建築にどこか想像できてしまいますね。

標高700ｍの位置に建つ修道院は、古くから多くの巡礼者が訪れるキリスト教の聖地。880年頃に建てられたと言われていますが、その起源は現在もなお詳しくは分かっていません。
フランコ独裁時代にも、禁止されていたカタルーニャ語でミサが行われるなど、カタルーニャ人の信仰と民族意識の中心としての役割も担ってきました。
またスペイン戦争時代に地元民が立てこもった場所でしたが、フランス皇帝のナポレオンによって2度も焼かれ多くの財産を失いました。ですが1844年頃に無事に協会は修復され現在まで信仰の聖地として在り続けています。大聖堂のファサ―ドにはキリストと十二使途の姿が刻まれています。

美しい修道院の中には、9世紀、モンセラットの岩山に羊飼いの少年が見つけたという黒いマリア像が祀られています。当初司教が岩山の洞から運び出そう試みましたが、重くて運べずこの地に留まったとも言われています。
この黒いマリア像が右手に持つ珠に触れてお願いごとをすると、願いが叶うといわれていて毎日お参りする人々の数が絶えません。週末は来館者も多いので余裕を持って早めの行動がオススメです！
余談ですがマリア像はもとから黒い色をしているのではなく、祈りを捧げたキャンドルのすすで黒くなったとも言われています。
また、修道院前の広場もパワースポットとして知られています。ゴシック様式とルネサンス様式両方を取り入れた大聖堂前のパティオは真ん中で両腕を上げ瞑想するとパワーがもらえるといわれています。

黒いマリア像の後に訪れるのが言葉が出ない程美しい聖堂内の身廊です。主祭壇の十字架の上には先ほどのマリア像がこちらを見守るように飾られています。
またこちらでは平日に1回（13時）、ヨーロッパ最古の少年合唱団といわれている、モンセラット・エスコラニアによる聖歌隊の合唱があります（2022年11月情報時）。その美しすぎる歌声は一度聴いたら忘れられないでしょう。今でも人気が高く、現在は事前に修道院のサイト上から予約が必要になっているほどです。
人生で一度は聴いていただきたい聖歌ですね。とても心が洗われる気持ちになります。

バルセロナ市内から電車での行き方は２通りあります。
①カタルーニャ鉄道(FGC)+ロープウェイ(所要1時間弱)
②カタルーニャ鉄道(FGC)+登山鉄道(所要時間1時間半弱)
どちらも到着の場所、時間も異なりますので予めお調べする事をオススメいたします。
ロープウェイは所要時間も短いですし眺めがとても綺麗ですが、到着してからモンセラット修道院まで歩く必要があります。登山鉄道は時間はかかりますが座席にも座れてなおかつ修道院の前に到着いたします。

1日かけて電車でゆったり行っても良いですが、マイバスのツアーでは、市内のご宿泊ホテルから専用車で、バルセロナからダイレクトにモンセラットまで行けるのでとても簡単で楽チンです。

半日で絶景のモンセラットも観光できますので、ここでしか味わえない体験を是非お過ごしくださいませ。