パース発・巨大な波の形の奇岩「ウェーブロック」へ日帰り観光

パースから日帰りできる人気観光地といえば、北方向へドライブするピナクルズと東南東へのドライブとなる｢ウェーブロック｣でしょう。ウェーブロックは、海からの高波がある日突然固まって岩になった！？と言われても信じてしまいそうな姿ですが、実は長い歳月をかけて、風雨などの浸食によって現在の形になりました。

パース市内から東南東へ約350kmに位置するハイデンが最寄りの町です。車で4～5時間と、あまりアクセスの良い場所ではありませんが、それでも年間10万人以上が訪れる人気スポットです。

ウェーブロックまでの交通手段は、オーストラリアでの運転に慣れている方ならレンタカーを借りて訪れるという方法もありますが、現地発着のツアーに参加するのが最も効率的な選択肢といえるでしょう。

パースからウェーブロックまでの道のりは長いので、途中での休憩は必須です。おすすめの町は、パースから車で2時間ほどにあるヨークタウン。1831年、西オーストラリア州で最初に設立された町で、オーストラリア史に名を遺す歴史的なスポットです。今も開拓時代にタイムスリップしたようなノスタルジックな雰囲気が残る町で、ゆっくりお茶を飲んで一息入れましょう。

現地に春が訪れる9～11月なら、西オーストラリア州が誇るワイルドフラワーが満開に咲き乱れます。運よくこの時期に訪れた方は、ぜひ花々で埋め尽くされた草原にも足を運んでください。

そして旅のハイライト、ウェーブロックに到着すると、その巨大さと本当に高い波が押し寄せてくるような造形に、長いドライブの疲れも吹っ飛んでしまいます。エアーズロックやピナクルズなど、オーストラリアには有名な巨岩の景観スポットがありますが、そのいずれとも異なる独特の姿を誇ります。

ウェーブロックは、高さ15m、長さ110mの花崗岩でできた崖で、専門家によると、27億年以上という途方もなく長い年月をかけて雨や風にさらされて浸食が進み、波のような現在の姿が形成されたそうです。その大きさや形状を活用し、岩の向こう側には1928年にダム湖が建設されました。ウェーブロックの頂上には階段で上ることができるので、地平線まで続く広大な平原の絶景をぜひご覧ください。

付近には他にも見所があります。カバが大きく口を開けて、あくびをしているような奇岩、ヒポズ・ヨーン（Hippo's Yawn＝カバのあくび）や、先住民族アボリジニが描いた多数の岩絵で有名なマルカス・ケーブ（Mulka's Cave）やザ・ハンプス（The Humps）が有名です。

周辺には、ソルトレイク（塩湖）や、約1時間の遊歩道コースもあり、小さなミソサザイから鷹まで、野鳥が豊富なバードウォッチングの名所でもあります。塩湖は、乾季はほとんど水がなく真っ白い塩分で覆われていますが、雨季になると湖になり、ハクチョウやペリカンなどがたくさん集まります。一方、近くにあるワイルドライフパークでは、コアラやとても珍しい白いカンガルーに会うことができます。

ウェーブロックは、西オーストラリア州パースに滞在すれば、日帰りで観光することが可能です。日程に余裕がある場合は、ハイデンに滞在して、夕陽や早朝など、太陽の光によって変わる様々なウェーブロックの表情を楽しむのもおすすめです。ハイデンには、バックパッカー向けの宿泊施設やモーテル、レストラン、カフェなどが揃っています。

現地ツアーに参加すれば、おススメスポットを無駄なく回ることができます。
早朝パース市内を出発し、古き良きヨークタウンでモーニングティ休憩、その後ハイデンの街でランチと街の見学、そしていよいよウェーブロックへ。周辺の奇岩や洞窟などを楽しんだ後、夜パースに戻る一日ツアーが人気です。

またパースから約700キロにある南極海に面し、白い砂浜と美しい海が有名なエスペランスとピンク色の湖ピンクレイクまで足をのばす1泊2日のツアーなどもあります。お時間に余裕のある方にお勧めです。

壮大な自然が残る西オーストラリアを代表する観光スポット・ウェーブロックの魅力をご紹介しました。圧倒的な迫力の奇岩は数多くの美しい写真の被写体にもなっています。珍しい植物や動物の宝庫でもあり、先住民の文化にも触れることができる魅力あふれる場所です。
ぜひパースへいらっしゃる際には足をのばして下さい！