女王陛下が愛したオーストラリアのオパールに詳しくなろう
オーストラリアを代表する宝石といえばオパール。なにしろオーストラリアのオパール産出量は、世界全体の9割以上なのです。先住民族アボリジニの言い伝えによると、オパールは、虹が地面に落ちてきて、出来上がったとか。確かに赤や緑、ブルーなど、カラフルに輝くオパール独特の遊色効果は、七色の虹を連想させます。
不思議な七色に輝く宝石、オパールはどのようにして出来上がったのでしょうか?遠い昔、オーストラリアが今のアジア大陸と地続きのゴンドワナ大陸の一部だった頃には、現在のオーストラリア国土の真ん中には、内海があったそうです。やがてオーストラリア大陸がアジアから切り離され、内陸部の砂漠化が進み、内海の水が干上がった後、このかつての海岸線沿いに珪素が堆積し、これが数百万年もの年月をかけてオパールになったと考えられています。
オーストラリアのオパール産地は、南オーストラリア州やクイ-ンズランド州など、一見、国中の北から南まで、あちこちに点在している印象を受けますが、実はいずれの産地も、大昔、内陸部に海があった時代の海岸線だったという共通点があるのだそうです。それでは、主なオパールの種類別に、簡単に特徴をご紹介しましょう。
ホワイト・オパール(白いオパール)
ミルキー・オパールとも呼ばれ、もっとも一般的なオパール。大きな塊で見つかることも多いため、きれいな球状に加工してブローチやネックレスなどにも使われます。ホワイト・オパールは、南オーストラリア州で産出されるものが世界全体の産出量のほとんどを占めています。
主な産地の一つ、南オーストラリア州のクーバー・ペディ(Coober Pedy)。ここではオパール鉱山や採掘場や、切削作業の実演を見学することができます。夏の乾燥と猛暑は想像を絶するほどで、これを避けるため、クーバー・ペディでは、住民の大部分が、地下に作った家で暮らしています。地下にはなんとホテルや教会、お店などもあって、これがオパールと並ぶ観光名所にもなっています。
ボルダー・オパール(岩のオパール)
「ボルダー」は「岩」「塊」の意味で、その名の通り、鉄鉱石の塊の隙間に出来るオパールです。岩の間にできるため、厚さは薄いものが多く、整った丸い形に加工するよりも、オパールの美しい部分を活かした自然のままの造形に仕上げたアクセサリーが多いです。オパールの裏に母岩の鉄鉱石が付いているのが目印です。
産地はクイーンズランド州で、Winton (ウイントン)、クイルピー(Quilpie)、ヨーワ(Yowah)、オパールトン(Opalton)など。いずれも夏場は乾燥と猛暑がはげしい過酷な自然環境ですから、訪れるなら冬、つまり日本の夏がおすすめ。毎年7月には、ヨーワでオパール・フェスティバル(Yowah Opal Festival)が開催され、オパールの原石や、研磨済みのオパールが購入できます。オパールトンでは、19世紀末に見つかった世界最大のオパール原石を見ることができます。
ブラック・オパール(黒いオパール)
名前の由来は、ブラックオパールの母岩が黒いためだそう。最高級オパールの代名詞ですが、母岩なしで加工できるほど分厚いブラック・オパールの採掘量はかなり減ってしまいました。最近では、ボルダー・オパールと同様、母岩が付いた状態で磨かれたものがほとんどのようです。ちなみに英国のビクトリア女王はオパールを愛したことで有名です。英国王室には、ブラックオパールの素晴らしいコレクションがあると言われています。
産地はニューサウスウェールズ州北部のライトニングリッジ(Lightning Ridge)。クイーンズランド州との州境に近く、ゴールドコーストからの距離は約750km、シドニーから約770kmの小さな田舎町ですが、宝石コレクターの間では有名な名前です。ここでも毎年7月に、ライトニング・リッジ・オパール・フェスティバル(Lightning Ridge Opal Festival)が開催されています。
良質なオパールを選ぶために知っておこう
最後に、旅の記念に、オパール購入を検討される場合のアドバイスをいくつか。まず、お店に入ったら、予算より高い、上質な石も見せてもらい、本命の石と比較してみましょう。その際、必ず手にとって、裏返したり、横から見たり、いろいろな角度からオパールを見てください。こうすることで、遊色効果を確認できるほか、オパールが天然ものか、加工品か判別できます。
例えばボルダー・オパールやブラック・オパールとして売られているのに、裏側から見たときに、母岩の色がなく、金などで覆われていたら、要注意。天然オパールの場合、通常、裏側はそのままにしていることが多いためです。ただし、デザイン上の理由なども考えられますので、お店の方に、どうして母岩が見えないのかを聞いてみるとよいでしょう。
またオパールを横から見ると、天然のオパールなのか、他の石やガラスを張り合わせたものか見分けやすくなります。張り合わせたオパールには、母岩に似た別の石の上に、オパールを載せた二重構造の「ダブレット」や、別の石の上に薄くスライスしたオパールを載せ、その上に丸いガラスなどを載せた三重構造の「トリプレット」などがあります。こうした加工品は、オパールと母岩の境目がはっきりしているので、天然物と比べるとその差が際立ちます。
オパールの価値は、いずれのタイプでも、地色に曇りが無く、表側からは母岩や砂が見えず、遊色効果が一部分に限られるよりは全体に出ているもの、そしてより色鮮やかなものほど、高くなります。遊色については、赤やオレンジ色が最も希少価値が高く、続いて黄、青、紫と言われています。
ダブレットやトリプレットなどの加工法のおかげで、美しいオパールを気軽に楽しむことができます。ただし、希少な天然ブラック・オパールだと勘違いして、黒い石の上にホワイト・オパールを貼り付けただけの加工品を、法外な価格で買ってしまうのは避けたいですね。
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