オーストラリアでクジラを観る ホエールウォッチングのシーズンは?
オーストラリアの冬の風物詩のひとつが、ザトウクジラを間近でみるホエールウォッチングです。
6~10月の間、オーストラリア大陸東海岸沿いを回遊するザトウクジラ。その数は17000頭にも上るそうです。そして、この時期に行われるホエールウォッチングでのクジラ遭遇率はほぼ100%とも言われています!
迫力満点の巨大ザトウクジラのダイナミックな泳ぎは、この時期だけのお楽しみ。間近に見るチャンスです。
ザトウクジラってどんな動物?
クジラは、クジラ目の哺乳類の総称で、76種類に分類されます。習慣的に、体長5m以上のものをクジラと呼び、それ以下のものをイルカと呼んでいますが、分類学的な違いはないそうです。
クジラには歯を持つマッコウクジラなどのハクジラ類と、歯ではなく鯨髭を持つナガスクジラなどのヒゲクジラ類に大別できます。
今回注目したのは、南極から回遊してくるザトウクジラ(Humpback Whale)です。ナガスクジラ科の哺乳類で、ヒゲクジラの一種。琵琶を背負った座頭に似ていることから、日本ではザトウクジラと呼ばれているのだそうです。
ザトウクジラは世界中に広く分布していて、全長は15mほどに達し、体重は40トン!脳みその重さは5kg、肺の大きさは小型車ほどもあるそうです。さらに驚くのは、これだけ巨大な動物なのに、歯がありません!代わりに口の中には270~400本もの櫛状の鯨髭が。彼らは、エビにも似た小さなオキアミや小魚をエサにしていて、オキアミや小魚の群れを、大口を開けて海水ごと口に含み、鯨髭でエサだけ漉しとって食べるのです。
長距離回遊する前には、なんと2トンものエサを食べて体内にエネルギーを蓄え、移動中は一切食べないのだそうです。寿命は人間並みの48~100歳と言われています。キーキーなどと不思議な鳴き声をすることでも知られていて、雄のザトウクジラの声は100km以上離れたところまで到達するそうです。
1万kmの旅、17000頭のザトウクジラがゆく
ザトウクジラは出産と子育てのため、南極から温かい北の海へと移動します。その時、オーストラリア大陸の横を通過し、回遊するのです。
たとえば、東海岸のニューサウスウェールズ州からクイーンズランド州沿いは、6~11月頃の間、ザトウクジラが北上(往路)し、そして南下(復路)して南極あたりへと戻っていきます。オーストラリア大陸東海岸沿いの回遊ルートは往復約1kmの距離にも達するとされ、毎年、17000頭ものザトウクジラが通過します。ですから、この時期のホエールウォッチングでのクジラ遭遇率は、ほぼ100%とも言われているのです。
アクロバティックに海面から飛び上がって体を反らし背面から海の中へと豪快に潜っていったり、3~5mもの高さまで潮を吹いたり、尾びれや胸びれを動かして海面を叩いたり、垂直に体を海面上に出したりと、ダイナミックな動きと泳ぎに一瞬たりとも目が離せません。冬のお楽しみ。ザトウクジラを間近に見るチャンスです。
JTBでは、6~10月、期間限定のくじらウォッチングツアーを提供しています。ゴールドコースト発着で、ゴールドコースト沖、あるいはクイーンズランド州の州都ブリスベンの沖合いにあるモートン島などで存分にホエールウォッチングが楽しめます。