ピナクルズ 西オーストラリアおすすめの観光スポット
西オーストラリア州の州都パースから北へ約250km、オーストラリアの国土の広大さをひしひしと実感しながら、車で3時間ほどのドライブをいくと、インド洋の紺碧の海に面した海岸線にあるナンバン国立公園(Nambung National Park)に到着します。
ここには無数の奇岩群が林立した砂漠、ピナクルズの世にも不思議な光景が広がっています。「ピナクル」とは、ゴシック建築の聖堂などの上にある尖塔のことで、まさしく尖塔の如く、岩が空へ向かってにょきにょきと生えています。
数千本もの塔のような形の岩が、広さ400ヘクタールの砂漠の上にそびえたっていて、中には高さ3.5mになるものもあります。その光景は「荒野の墓標」などと呼ばれています。
夕日に染まるピナクルズに感動
周辺には本当に何もなく、日没後は真っ暗になってしまうそうですが、その直前の夕陽の美しさは、言葉を失ってしまうほどのすばらしさ。茜色の空と、燃えるように赤く染まる砂漠、そしてピナクルズの奇岩群のシルエット・・・。
紺碧の海と砂漠という、昼間の景色もすばらしいですが、あえて夕方の時間帯を狙って訪れる人もいます。世界中で様々な映像のロケ地に使われているというのもうなずけます。
この奇岩群は、一体どうやって出現したのでしょう?ピナクルズは6000年以上前にはすでに出来上がっていたと考えられています。かつてこの辺り一帯は海だったため、貝殻などが蓄積し、石灰岩の土壌ができあがりました。
太古の時代は、原生林が茂っていましたが、やがて砂漠化が進み、木々は消え、海風に直接、さらされるようになった地面は次第に風化。堆積した石灰石層だけ現在のような姿で残ったと考えられています。
もちろん今も、ピナクルズではゆっくりと、けれども着実に、風化は続いています。やがて林立する岩もすっかり小さくなり、完全な砂丘になってしまうのかもしれません。パースを訪れたなら、ぜひ、今のこの景観をご覧になっておいてください。
春はワイルドフラワーの花畑が出現
ピナクルズがあるナンバン国立公園には、毎年5~9月にたっぷり雨が降り注ぎます。恵みの雨のおかげで、砂漠地帯であるにも関わらず、南半球に春が訪れる9~10月頃になると、毎年、色とりどりのワイルドフラワーが咲き乱れる天然の花畑が出現。カンガルーやエミューなどの動物や、モモイロインコなど野鳥たちもやってきます。
国立公園内には、ピナクルズの間を縫うように散策するウォーキングコースや、車で回るドライブコースなどが整備されています。
人間の胸像のような形の岩など、風化によって出来上がった様々な形に出会えます。園内には資料館もあり、ピナクルズが形成されていった過程や、周辺一帯の動植物の生態系などについて、詳しく解説しています。
大砂丘を4WDで駆けるアドベンチャーも
海沿いに広がる白砂のビーチは、海水浴やシュノーケリング、サーフィンなどにお勧めの場所でもあります。サースティ・ポイント見晴台での釣り、ハングオーバー湾の美しいビーチでの水遊びも楽しいです。近くにあるカンガルー・ポイントは、早朝や夕方、野生のカンガルーが集まってくるビーチとして知られています。
人気観光地、ピナクルズには、州都パースから様々な日帰りツアーが出ています。通常のバスではなく、4WDの車で行くツアーなら、一般の人は入れない海岸沿いの大砂丘を車で滑走するスリル満点のアクティビティが楽しめます。
ただし片道3時間のドライブで、途中、舗装していないところも走るので、小さなお子様や体力に不安がある方は、シートがゆったりした観光バスがより安心かもしれません。
なるべく短時間で行きたい場合は、セスナで片道45分足らずで到着するツアーもあります。運転に自信のある方なら、個人でレンタカーを借りるのも一案です。ただしこの場合、日没前にピナクルズからの帰途につくことをお勧めいたします。飲み水などを車に積んでおくこともお忘れなく!