感動のアラビア海と世界遺産乳香の道を訪ねて
2019.5.2
朝5時を過ぎた頃、明るくなってくると本日の目的地サラーラ港が見えてきました。サラーラはオマーン第二の都市です。オマーンという国自体が日本人にとっては観光地としての知名度はありませんが、古い歴史を持つ国で沢山の遺跡があり、手つかずの自然が残されています。綺麗なアラビア海でダイビングやシュノーケリングを楽しむ、4WDでしか行けないような山岳地帯でのワイルドな体験、美しいモスクから流れるアザーンを聞きながらの街歩きをする…沢山の魅力が詰まっています。
本日は「スルタン・カブース・モスクと世界遺産乳香の道観光」というツアーに参加しました。所要は四時間半ですがサラーラの名所をくまなく巡る充実した内容です。最初のモスクは、2009年にできた新しいものでサラーラ最大の6000人を収容することができる。ドーム型の天井に取り付けられた大型のシャンデリアが豪華で皆さんと口をあけて上を向いてしまいました。
モスクはただの観光地ではなくイスラム教徒の礼拝の場所です。男性は肩を出さない格好、女性は頭までストールなどで必ず隠すことが求められます。お客様ももちろん規律を遵守、それでもお洒落に見えるのはクルーズのドレスコードのお陰?
そこからバスで走ること45分、山をひとつ越えたあたりに一面ひろがったのは乳香の木々です。ここは「乳香の道」として世界遺産に指定されている地区。乳香は樹液をいぶすと独特の香りがすることから、アロマセラピーや香水などに使われています。さらにガイドさんいわく虫よけ、喘息、体調不良、なかにはガンの予防になるなど様々な効能が説明されました。その木々を見に行った帰りには乳香スーク(市場)にいって香りを体験、実際に購入された方は少ないかも?それでも交易の文化を学ぶ良い経験です。
サラーラの最後を締めくくるのはアラビア海に面したマグセイルビーチです。地中海にも引けをとらない美しい砂浜が続いていました。実はオマーンは時期になるとアラブ諸国やヨーロッパから多くの観光客が押し寄せる人気のリゾート。トップシーズンには人口と同じ人数が来るとも言われるほどだそうです。
山あり海ありの観光でオマーンが一気に好きになりました。しかし気温は32度、ちゃんと水分補給をしていたのに真夏のような暑さで早くも喉はカラカラ。サン・プリンセスに帰ってくると見たことないくらいにアイスクリーム屋さんに行列ができていました。空のカップが山積みになる光景は炎天下の寄港地ならではの光景ですね!
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中村 風詩人(旅写真家)
- Profile
- 旅写真家。クルーズには10年以上毎月乗船しながら国内外10隻に乗船取材。旅した国は80ヶ国にのぼる。世界3周分の海の奇跡をまとめた写真集『ONE OCEAN』や船旅の目的地『小笠原のすべて』(JTBパブリッシング刊)を出版。同展示はキヤノンの協力を受け銀座・名古屋・大阪キヤノンギャラリー、仙台メディアテーク、高崎高島屋、東武宇都宮百貨店、水戸京成百貨店の全国を巡回。日本橋三越や各新聞社ホール、各客船上にて講演、全国のフォトツアーやコンテストの審査も定期的に行っている。