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第8回 JTB交流文化賞 受賞作品紹介
交流文化体験賞ジュニア部門
優秀賞(小学校高学年(4〜6年生))
双子でよかった上海旅行
矢澤 宙空

(イメージ) 私はこの夏休みに上海旅行に行きました。上海に行った理由は三つあります。

一つ目は、小ろん包が私は大好きだから。二つ目はパンダが大好きだから。三つ目は、お母さんが中国語を習い始めたからです。

去年の夏休みと今年の春休みは台湾に行きました。旅行に行く前は、台湾と上海は同じ中国語を話す国だし、にているのかなと思っていました。 でも、実さいに行ってみるとずい分台湾とちがっていました。まず、街の中に日本語の表示が無くて日本語をしゃべる人にもほとんど出会わなかった事。そこは台湾とずい分ちがっているところでした。そんな日本語の無い街を歩くというのは少し不安にもなりました。でも、その不安をふき飛ばすような事がたくさんありました。その中の一つは、私が双子だったから体験できた事でした。私は一らん性の双子でそっくりな顔の姉がいます。今回の旅行ももちろんその姉もいっしょに行ったのですが、姉とならんで歩いていると、「双胞胎(シュワバオタイ:中国語で双子の意味)?」とたくさんの人に声をかけられました。私は中国語も英語も分からないので、上海の人達は私のお母さんに私たちの事を中国語で質問して来ました。「どっちがお姉さんなの?」とか「どこの国から来たの?」などと必ず聞かれたそうです。でも、お母さんが一番びっくりしたと言っていた事があります。 それは双子の事を聞かれると最後に「幸福啊(シンフーア:中国語で幸せですねの意味)。」とたくさんの人に言われた事です。どうして上海では双子だと声をかけられたり、めずらしがられたりするのかなと思ってちょっと調べてみたら、中国には一人っ子せいさくという決まりがあって一組の夫婦に子どもが一人しかいない場合が多いのだそうです。でも双子の場合はゆるされるので一度に二人の赤ちゃんが生まれる双子はとても幸せな人だと思う人が多いそうです。今までそんな事思ったことが無かったので、私はびっくりしました。でも、上海旅行をしている六日間の間に、本当にたくさんの人たちから、幸せだねかわいいねと声をかけられて日本では感じられないうれしい気持ちをもらいました。

お母さんも初めて会ったたくさんの中国の人に「幸せですね。」と言われた事は上海旅行の一番の思い出になったと言っていました。また、目的の一つだったパンダは上海の二か所の動物園で見る事ができました。わたしは上野動物園でしか見た事がなかったのですが、上海野生動物園で見たパンダはガラスごしではなく、しかも三頭いっしょにあそびまわる元気なパンダたちでした。ガラスごしではなくしかもよく動くパンダをこんなに近くで見たのは初めてでますますパンダが大好きになりました。私たちはパンダ舎で、二時間もパンダを見てすごしました。もし次回行くチャンスがあったら中国語を少しでも話せるようにじゅんびしてから出かけたいと思います。

評価のポイント

双子の姉と家族旅行で上海へ。道すがら何度も「双子なの?」と尋ねられ、決まって「幸せですね」と言われたことに驚く。調べたところ、中国では双子が幸せの象徴であることを知り、理解する。その理由が一人っ子政策によるものという中国ならではの事情も知り、今まで当たり前だと思っていた、自分が双子であることを嬉しく思う。国が違うと文化も違うということを体験を通して学んだ旅。



※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。