JTB交流文化賞 Multicultural Communication
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JTB交流文化賞
交流文化が広げる未来
第8回 JTB交流文化賞 受賞作品紹介
交流文化体験賞ジュニア部門
最優秀賞(小学校低学年(1〜3年生))
ぼくの京都旅行
松尾 倫之介

(イメージ) 今年も家族旅行は京都だった。でも、昨年とはちがう。何がちがうって。今年はぼく専用のご朱印帳がお父さんから渡された。さくらのししゅうがかわいいピンクのご朱印帳だ。

ぼくの記念すべき初めてのご朱印は、しうん山頂法寺というお寺。六角堂だ。昨年もここに来た。今年もここへ来たわけは「へそ石」を見るため。昨年はけい内にいるハトにばかり気をとられて「へそ石」を見ていなかった。今年は「へそ石」のくぼみに入っているお金までしっかり見てきた。ぼくはここの赤い、大きなちょうちんがかっこよくてすきだ。

二つ目のご朱印は本能寺。大きな本堂の中は金色できらきら。ご朱印も赤い朱印が四つも押されていて派手だった。

三つ目は建仁寺。風神雷神のびょうぶよりぼくが気に入ったのは床。歩くとピヨピヨピヨピヨとなる。家の床はミシミシなる。

四つ目は六はらみつ寺のご朱印。宝物館の空也上人立像にはわらったし、おどろいた。口から六人の仏がとび出していた。まん画では口から言葉がとび出すような事があるけど、 昔の人も同じような事を考えていたなんて。かみの毛を持った地ぞうぼさつにお父さんの毛が生えてくるようにおねがいした。

五つ目は六道ちんのう寺のご朱印。ご朱印をもらう前にあの世へ行く井戸を見た。そしてあの世とこの世を行ったり来たりしていた小野たかむらの像も見た。

最後、六つ目のご朱印は安井金比ら宮。ここは縁結びと縁切りの神社だった。たくさんのお姉さんたちがおねがいをしながら大きな形代のはってある巨石をくぐっていた。ハイハイをしながらくぐるお姉さんは、行きはおしり、帰りはおっぱいが見えていた。ぼくはすごいと思った。

京都旅行は思いもしないものがある。ぼくはこれからもご朱印帳を持って旅をする。


評価のポイント

家族旅行で数回目となる京都。今年は自分専用の御朱印帳があることで、今までの旅とは違った子どもなりの興味と緊張が伝わってくる。一方で道中では父の頭髪が生えるように祈願したり、おねえさんたちが巨石をくぐる姿をみてドキドキするなど、背伸びしていない旅の体験が伝わってくる素直な作品。



※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。