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創設記念審査員メモリアル賞 |
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「YOSAKOIソーラン祭り」 − 新しい交流文化の創造とその広がり −
北海道札幌市YOSAKOIソーラン祭り組織委員会 |
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札幌の街が新緑に染まる6月、街の中心部である大通公園をはじめとした札幌市内各区の目抜き通りを使い、踊り手たちの熱い演舞が繰り広げられる参加型の祭り、それが「YOSAKOIソーラン祭り」である。2005年度は、札幌市内27会場で、全国各地から334チーム・延べ約4万3,000人の参加者が集まり、街全体が祭りの舞
台となる。 |
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観客動員は200万人を超え、経済波及効果は220億円にのぼり、北海道の新しい祭り文化として発展してきた。
この祭りのきっかけは、1991年、当時北海道大学に通う学生が高知で偶然目にした「よさこい祭り」に始まる。人口36万人の高知市で1万5,000人もの若者が汗を飛び散らせて踊っているのを観て鳥肌が立つほど感激した。しかも一人2〜3万円の参加費を払って祭りに参加しているという。一方、北海道の地元の祭りでは一人当たり数千円の日当が出て、皆アルバイト的感覚で祭りに参加している。そこで、参加費を払ってでも参加したいと思うような祭りが自分の住む北海道にあってもいいのではないかと考えた。早速、学生仲間に声をかけ12月に実行委員会を結成。翌1992年6月に「第1回よさこいソーラン祭り」を10チーム1,000人の参加者で開催し、20万人の観客動員を記録した。 |
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皆と一緒に創造する喜び、自らが主役となって注目を集める快感が参加者の心をとらえ、祭りは爆発的な勢いでその規模を拡大し、学校、職場、地域、そして仲間同士で祭りに参加するチームが組まれ、幼児からお年寄りが一緒になって練習に汗を流している。北海道のほとんどの市町村で踊りのチームが結成され、地元でも地域活性化の核としておのおのが活躍している。札幌の商店街や町内会も積極的に祭りを誘致し、中心部である大通公園以外の各会場は、会場ごとに地域の人たちが中心となった実行委員会が組織され、住民の方々による運営がなされているなど地域密着型の温かさが見られるのも特長である。 |
この祭りの参加には40人〜150人の団体(チーム)を編成して事前にエントリーする方法のほかに、観光客が祭り当日の簡単な練習で参加できる方法がある。
祭りをただ単に観るだけではなく、実際に参加することで祭りの醍醐味を体感でき、参加者とも交流できる。旅行者がその土地の文化に直に触れて交わることができるということで、いずれのプログラムも人気を集めている。
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この祭りは高知と北海道の要素が融合して生まれたものである。「YOSAKOIソーラン祭り」のルールは二つ。一つは「手に鳴子を持って踊ること」、もうひとつは「曲の中にソーラン節が入っていること」である。前者は高知の「よさこい」の要素で、後者は北海道の要素である。これら二つが組み合ったのが「YOSAKOIソーラン祭り」である。
高知と北海道という二つの地域の文化を融合した新しい祭りであるからこそ、双方向での交流ができ、そして他へも広がるという展開が可能となった。高知の要素が北海道に来て交わり新しい文化が生まれ、それが発展を遂げて他の地域へも伝播していくというように、一箇所だけに留まるのではなく二箇所以上の地域とその文化が線で繋がっていく。実際に、この祭りは高知から北海道に来て、そして石川県の「YOSAKOIソーラン日本海」、名古屋の「にっぽんど真ん中祭り」になっていったように、全国220箇所でこの要素を取り入れた祭り、イベントが開催されている。
この祭りをきっかけに知り合ったチーム同士、地域同士で北海道の生産者と北海道外の関係者との直接物流など、物産の交流も盛んである。
教育面の取組みとしては、他県で開催される「YOSAKOIソーランジュニア大会」によって世代間、地域間の交流を活発化させていることや、北海道を訪れる修学旅行向けに「YOSAKOIソーラン出前講座」のプログラム化、そして学校授業への取組みを普及させるために、学校教材用ソーランを制作した。
YOSAKOIソーラン祭りの運営面の独自性は(1)寄付や補助に頼らない事業型NPO (2)知的財産―ブランド化、ライセンス管理 (3)組織の改善、展開、イノベーション である。
国際交流の取組みも盛んであり、現在までハワイ、ラスベガス、北京、台湾など世界各国のイベントに参加し相互文化交流を深めてきた。また、中国、韓国、台湾、シンガポールなど海外からの観光客も増加しており、海外でも注目され始めている。
YOSAKOIソーランが従来の祭りと違う点は、もともと2WAYで始まり文化と文化のぶつかり合いで生まれた祭りであり、文化伝統やしきたりにとらわれていない今を生きている祭りであるということである。この祭りに他の地域や文化を受け入れ、また自分たちが外の文化を積極的に吸収することで、祭りとして常に進化しているのである。 |
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高知と北海道の文化を新しいかたちで融合させ、他の地域にも影響を与えるほどの交流文化を創造した。 |
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このたびこのような栄誉ある賞を頂けることとなり、心から嬉しく思っております。
YOSAKOIソーラン祭りは15年を経て、今では全国250箇所で開催されるようになりました。
この祭りは、その地域の立場で執り行われてきた従来の祭りの運営とは異なり、他地域からの参加を広く受け入れ、また、まだ社会の一員とは認められない学生の存在から大きな活動と広がっていきました。
このような動的なエネルギーと安定性で、これからもさらなる発展と運営開発を図っていきたいと思っております。
本当にありがとうございました。
北海道札幌市YOSAKOIソーラン祭り
組織委員会 |
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